陸幕長「あり得ないこと重なった」 陸自・然別演習場事故
 
十勝管内鹿追町の陸上自衛隊然別演習場で23日、空包を使うべき訓練で実弾が発射され、隊員2人が負傷した事故について、岩田清文陸上幕僚長は26日の記者会見で、訓練部隊の上級部隊が誤って実弾を請求し、訓練部隊に交付していたことを明らかにした。さらに訓練部隊などの点検も不十分で、隊員は実弾と気付かず空包だと思い込んで発射した。岩田陸幕長は「3点のあり得ないことが重なった」と述べた。
負傷者が出て初めて実弾と気付く
 
陸自は北部方面隊(総監部・札幌)に加え、陸上幕僚監部にも26日に事故調査委員会を設置した。

 
岩田陸幕長と陸幕の説明によると、訓練部隊は、北部方面輸送隊(札幌)に所属する第310輸送中隊。輸送隊は北部方面後方支援隊(恵庭)に属する。中隊の約30人が屋外で空包を使うべき訓練を行った際、隊員9人が計79発の実弾を発射した。

 
訓練部隊の上級部隊である北部方面輸送隊の管理担当者が、真駒内駐屯地業務隊に弾薬を請求する際、空包ではなく誤って実弾を請求した。今回の訓練は空包しか使わない計画で、どのような経緯で実弾の請求に切り替わったかは不明という。

 
さらに輸送隊の管理担当者は紙箱に入った実弾約200発を受け取った際、中身の確認を十分に行わず、空包でないことに気付かなかった。受け取った弾の数は確認したものの、紙箱から中身を取り出し、弾に弾頭が無い空包であることを確認しなかった。

 
その上、輸送隊の管理担当者から弾を受け取った訓練部隊は、空包だと思い込み、誰も実弾だとは気付かずに小銃に装填(そうてん)。隊員は射撃を始め、負傷者が出た時点で初めて実弾を撃っていたことに気付き、射撃をやめたという。

 
北部方面隊は25日に事故調査委を立ち上げており、陸幕の事故調査委と並行し、隊員の聞き取りを進める。また、警務隊は業務上過失致傷容疑も視野に慎重に調べている。岩田陸幕長は「なるべく早く原因を特定し、他の部隊にも(再発防止策を)指示したい」と強調した。

 
今回の事故を受け、防衛省制服組トップの河野克俊統合幕僚長は26日の会見で「まかり間違えば犠牲者が出るような事案。想像を超えるような事故であり、徹底して事故原因を究明したい」と述べた。


要するに最初に間違って支給されて実弾をその後誰もまともに確認しなかったということか。お粗末の一語に尽きるが、実際はもっと裏がありそうな気がしないでもないが、・・。実弾と空包など一目瞭然だろう。装填された弾倉を渡されたのならそういうこともあり得るが、・・。死傷者が出なくてよかった。軽傷者はいるようだが、まともに相手に向かって撃っていたら死んでいてもおかしくはない。


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