集団的自衛権を認め、自衛隊の武器使用権限を拡大した安全保障関連法が29日、施行された。

 
自衛官22万人にとって、任務の危険性と銃口を向ける判断を迫られる重圧は増す。創設以来、1発も銃弾を発射してこなかった自衛隊。新たな任務遂行とともに隊員の安全を確保できるのか。現場の自衛官からは不安や戸惑いの声も聞かれる。

 
法施行で、邦人保護などの任務遂行の際の武器使用が認められ、妨害行為に対して銃の威嚇射撃も可能になった。イラク派遣を経験した陸上自衛隊員は「相手に銃を向けるだけで相当な威圧になり、現場の雰囲気は一変する。身を守るために銃の引き金を引くか判断を迫られる局面が増えるだろう」と予想する。

 
ある陸自幹部は「判断を上司に仰いだり命令を下したりする現場の隊員には想像できないプレッシャーがかかる」と話す。また、複数の自衛隊幹部は「現実的には、先制攻撃を受けて死傷者が出なければ『撃つ』判断はできないのではないか」と率直に語る。

 
安保法は自衛隊法など10本の改正法を束ねた「平和安全法制整備法」と、新たな恒久法「国際平和支援法」で構成。解釈変更や武力行使の要件、隊員の安全確保など内容は多岐にわたり、複雑だ。

 
陸自のある若手女性幹部は「安保法の教育を部下にするかは現時点では指揮官の教養次第。意識が高い自衛官は勝手に勉強しているが、現場の雰囲気としては、安保は人ごと」と話した。「安保法施行の経緯をよく分かっていない一般隊員をどうやって教育しようかというのは悩む」と打ち明けた。


正当防衛、緊急避難と言うが、緊迫した現場で何が正当防衛か、何が緊急避難かを即座に、かつ冷静に判断するのは難しい。日本で相手に向かって銃器を使用した組織は警察だけで、その際の判断も法理論など考える余地はなく感覚的なものだろう。命のかかった緊迫した現場で冷静な判断など出来るはずもない。政治が確固たる明確な判断をせずに現場にそれを押し付けるのは、どこかの知事ではないが、政治の堕落だ。現場が迷うことがないように政治がしっかりと決断すべきだろう。


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