石井啓一国土交通相は7日、地方自治法に基づき、沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事に対し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾=ぎのわん=市)の移設をめぐる名護市辺野古の埋め立て承認を取り消した処分を是正するよう指示した。4日に成立した代執行訴訟の和解条項に沿った手続きの一環で、沖縄県側はこれを不服として近く第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出る方針。中谷元(げん)防衛相は今月下旬にも沖縄県を訪問する方向で検討に入った。

 
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は7日の記者会見で「是正指示は裁判所の和解勧告に従って出した。沖縄県とは和解条項に基づいて話し合いをしていく。事務、政務レベルで行っていきたい」と述べた。沖縄県側は直接協議を経ずに政府が是正指示を行ったことに反発。翁長氏は県庁で記者団に対し「大変残念な気持ちだ」と述べたが、菅氏は「そういうことを含んだ上で沖縄県が和解したいということだった」と強調した。

 
沖縄県は不服であれば、文書到着の翌日から休日を除き5日以内に国地方係争処理委員会に審査を申し出る。和解条項によると、政府と沖縄県はそれぞれ提起した訴訟を取り下げ、政府は埋め立て工事を中断し、辺野古の埋め立て承認を取り消した翁長氏の処分について是正を指示する。

 
その上で、沖縄県は改めて申し出る国地方係争処理委員会の審査を経た後に、国を相手取った訴訟を新たに起こすことになるが、判決確定後は政府と県は判決に沿った手続きを取ることを確約している。この間、両者は円満解決に向けた協議を実施する。

 
中谷氏は7日夕、来日中のシアー米国防次官補(アジア・太平洋安全保障問題担当)と防衛省で会談し、辺野古への移設が唯一の選択肢との認識で一致した。


菅官房長官は暫定的和解案に反対だったようだが、総理の意見に従ったようだ。国は、「辺野古に作る」、沖縄県は、「絶対に作らせない」だから、協議も何もあったものじゃない。始めから決裂が決まっている和解など意味がない。訴訟を整理して筋道を一本化したというだけ。また、新たな法廷闘争が始まる。菅官房長官はこれまでの沖縄県知事の対応について腹に据えかねているんだろう。


日本ブログ村へ(↓)