■「政治とカネ」「年金」…かわす首相
衆院予算委員会は5日、安倍晋三首相と全閣僚が出席した3日間の基本的質疑を終えた。野党は甘利明前経済再生担当相や遠藤利明五輪相の「政治とカネ」、石原伸晃経済再生担当相の資質、かつて首相を追い詰めた年金などをテーマに政権を追及したが、不発に終わった。特に民主党はおおさか維新の会に「言いがかり、揚げ足取り」(足立康史議員)と切り捨てられるありさまだった。
衆院予算委員会は5日、安倍晋三首相と全閣僚が出席した3日間の基本的質疑を終えた。野党は甘利明前経済再生担当相や遠藤利明五輪相の「政治とカネ」、石原伸晃経済再生担当相の資質、かつて首相を追い詰めた年金などをテーマに政権を追及したが、不発に終わった。特に民主党はおおさか維新の会に「言いがかり、揚げ足取り」(足立康史議員)と切り捨てられるありさまだった。
民主党の長妻昭代表代行は、甘利氏の金銭授受疑惑をめぐり都市再生機構(UR)が建設会社に支払った補償金約2億3600万円が適正なのかを河戸光彦会計検査院長に尋ねた。河戸氏は「多角的な観点から徹底した検査を行う」と強調したが、結果が出る時期は言明しなかった。
河戸氏への指示を求められた首相も「会計検査院は独立性の高い組織だ。私が指示するのは差し控えたい」と述べるにとどめた。追及対象の甘利氏がすでに辞任し、内閣支持率が上がっていることから、民主党内には無力感も漂う。
維新の党の今井雅人幹事長は、遠藤氏側が英語の授業で日本人を補佐する外国語指導助手(ALT)を派遣する会社の創業者から個人献金を受けた問題で、遠藤氏の秘書がALT利用拡大のため文部科学、厚生労働両省の担当者と接触していた事実を引き出した。ただ、違法性を浮かび上がらせるには至らなかった。
民主党の山井和則氏は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による民間企業への株式投資に関し、最近の株安で損失が出ているとして「第2の消えた年金だ」と迫った。首相は「安倍政権が発足した平成24年以降の収益は33兆円のプラスだ。短期的なもので一喜一憂してはいけない」とかわした。
同党の黒岩宇洋氏は石原氏を標的に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について尋ねた。「最後は金目でしょ」などに続く失言を引き出し、TPP交渉に携わっていない石原氏が答弁に詰まる場面を演出したい狙いがあった。石原氏は秘書官の説明を注意深く聞いたり答弁書を読み上げるなど、安全運転に終始した。
ただ、石原氏は3日の予算委で野党席に笑いかけながら「数字の根拠もないのに理事がヤジるのなら、まともに答えられない」などと挑発的に発言。自民党理事が予算委後、冷静な答弁に努めるよう伝えたことで4、5両日は無難に乗り切ったが、自民党幹部は「先行きが不安で仕方がない」と語った。
捜査の真似事のようなことをしたり、揚げ足取りや相手の失言を誘うような質問をしても支持率は上がらない。犯罪捜査は司法機関に任せておけばいい。政治家の本業は政策を打って政策で議論すること。民主党は政権取りのために数合わせに終始してきた政党の成れの果て、幅が広過ぎて政策がまとめられない。思いを同じくするものが集まった政策集団を作らないと世の中において行かれるだろう。
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