就任したばかりの石原伸晃経済再生担当相は2日、衆参両院本会議で野党の質問に手堅く答弁し、まずは無難に滑り出した。しかし、自民党の要職や閣僚の経験が豊富な半面、不用意な発言は絶えず、野党は今後も石原氏に照準を合わせて失点を誘おうとしている。3日からは衆院予算委員会の基本的質疑が始まり、石原氏に「試運転」の余裕はない。

◇不用意な発言絶えず

民主党の西村智奈美氏は2日の衆院本会議で石原氏の過去の失言を列挙し、「あまりにも軽い言動で人の心を逆なでしてきた」と批判した。

 
石原氏は環境相在任中の2014年6月、東京電力福島第1原発事故で生じた汚染土などを保管する中間貯蔵施設建設を巡って福島県との交渉が難航する中、首相官邸で記者団に「最後は金目でしょ」と発言し、地元の反発を招いた。問題発言はほかにもあり、経済再生担当相就任にあたって自民党のあちこちで「失言癖が心配」(閣僚経験者)という声が漏れた。

 
石原氏は西村氏の指摘には直接答えず、「現場に寄り添った政策を主導し、実現していく」と慎重な言い回しに終始。安倍晋三首相も「閣僚経験が豊富で、適材適所の人事を行うことができた」と石原氏をかばった。

 
ただ、本会議での質疑はあらかじめ用意した答弁原稿を読むことがほとんどで、野党にとってこの日はジャブに過ぎない。民主党の国対幹部は「石原氏は答弁に自信を持っているように感じた。慢心が出ればチャンスがある」と語った。


◇過去に「TPP反対」

石原氏は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)担当相を兼務するが、大筋合意まで一貫して甘利明氏が交渉を手がけてきただけに、国会答弁には不安がつきまとう。2日の衆院本会議で西村氏は「TPPに通じているとは言えない石原氏が対応できるのか」とあからさまに指摘した。

 
これに対し、石原氏は「自民党の中小企業・小規模事業者政策調査会長、農林水産戦略調査会顧問として、TPPを契機とした新輸出大国などの実現に向け、提言とりまとめに積極的に関与してきた」と切り返した。それでも与党幹部は「国会答弁で立ち往生するのではないか」と気をもむ。

 
12年の党総裁選や衆院選でTPPに反対していたことも追及されたが、石原氏は「『聖域なき関税撤廃を前提とする限り反対』という党の公約を踏まえた」と答え、安倍内閣の方針と食い違いはないことを強調した。演説では「TPPのメリットを最大限生かし、強い経済を実現する」と訴えた。

 
菅義偉官房長官は2日の記者会見で「(答弁は)まったく心配していない」と述べた。


TPPは今後の日本にとって必要不可欠だろう。第一次産業、医療などへの影響が心配されているが、農業などは大規模化、ブランド化へと体質改善を図るべきだろう。関税を撤廃あるいは障壁を低くして貿易を促進することは日本にとって利益となる。しかし、何時まで経っても民主党など野党の国会対策はレベルが低い。ダメと言うなら対案を出して議論すべきなのに足を引張る隙を窺うようでは自滅への道をたどるだけだ。政党は政策集団、政策を打って何ぼのものと思うのだが、・・。


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