防衛装備庁は防衛装備品の調達額を低減するため「コストデータベース」を構築する検討を始めた。装備品を製造する民間企業と協力して、部品ごとの原価まで正確に把握することで、大幅なコスト削減につなげたい考えだ。

 
装備品の調達について、現在は官民を結ぶデータベースはなく、原価の把握も完成品のみで部品ごとまでは算出していない。

 
装備品の価格算出では、護衛艦など特殊なものは市場価格が存在しないため、実際にかかった原価に利益を加えた「原価計算方式」を採用。原価の一定割合が利益となり原価が大きいほど利益が増える仕組みだ。

 
原価計算方式を採用する装備品のうち、量産初期段階にあるものなどは、契約時に原価を予測するのが困難なため、実際に要した原価が予定より少なかった場合は、超過分を減額・返還させる「原価監査付き契約」の制度も導入している。

 
こうした制度では、企業側には利益が目減りする原価削減への意欲が働かないほか、水増し請求を招く要因とみられてきた。データベースを新たに構築することで、各装備品の部品ごとの原価を明確に把握。企業努力に伴うコスト削減分については、一定程度、企業の利益に認めていく。装備庁幹部は「きめ細かくチェックする体制を強化し、企業努力を促してコスト減につなげたい」と話す。

 
2016年度予算案で、防衛費は過去最高の5兆541億円で、うち施設整備費や修理費も含めた装備関連費は7659億円(歳出ベース)を占めており、装備庁は調達の透明化とコスト削減を急いでいる。

 
装備庁はまた、国内の防衛産業の強化を図るため、主要装備品の部品供給網の実態調査にも乗り出す。装備品の高度化による価格上昇で調達数量が減少したことに加え、垂直離着陸輸送機オスプレイなど米国からの装備輸入が増加し、防衛産業から撤退する国内企業が相次いでいることが背景にある。


日本の防衛産業と言うのはほとんど零細企業状態で販路が防衛省に限られているので利益を出して経営していくのが難しい。その割には高度な技術が必要であり企業が止めても他のところが簡単には代替出来ないという特殊な事情がある。技術は途切れればそれで終わり。高度な先端技術が先々まで継承されるようぜひ適正な方策を講じてもらいたいものだ。


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