ドイツ西部ケルンで昨年の大みそかに多くの女性が移民系とされる男の集団に襲われる事件が起き、容疑者に難民申請者が含まれていることが8日、判明した。メルケル首相の寛容な難民・移民の受け入れを支持してきた世論を悪化させかねず、政策見直しの圧力が高まる可能性がある。

 
事件は昨年12月31日夜、ケルン中央駅前に酔って集まった男ら約1千人が騒いだ後、一部が複数のグループをつくり、通りかかった女性を次々と包囲。金品を奪ったり、性的いやがらせを行ったりした。被害届は8日までに約170件に上り、このうち約4分の3が性犯罪だった。

 
被害者らは、男らの多くが「アラブや北アフリカ系」と証言。連邦警察は8日、窃盗や傷害罪で容疑者31人を特定し、2人が独国籍を持つほかは大半が北アフリカや中東の出身で、このうち18人が難民申請者だったと発表した。

 
事件への衝撃は大きく、メルケル氏は出自に関係なく厳正な対処を指示した上で、「法秩序を守る気がない者にはシグナルを送る必要がある」と強調した。与党内では難民を含め犯罪を行った外国人の国外退去の強化や保護申請資格の剥奪を検討。ケルンの警察トップも事件への対応が不適切だったとして解任された。

 
ドイツでは昨年流入した難民・移民が予想の80万人を超える約110万人に上った。移民・難民に批判的な新興政党「ドイツのための選択肢」は、事件が「制御できない流入の結果」と批判。極右などが反移民感情をあおるために事件を利用する恐れもある。

 
国内では以前の難民歓迎ムードがしぼんできており、世論調査では与党の一部が求める流入制限を回答者の約6割が支持。南ドイツ新聞は「人々は首相が駅前の秩序も保てないことに疑問を抱き始めている」とし、事件でメルケル氏の寛容姿勢への支持が一段と低下することを懸念した。


一時期、多文化共生ともてはやされた移民政策は今では「痴人の夢」とこき下ろされ、欧州では移民による犯罪や文化の対立への対応に各国政府は頭を悩ませている。日本も同様の問題が起きつつある。異文化排除、種の純潔は根の深い問題で欧州は純血主義へと向かいつつあるように思う。閉鎖的な日本は欧米からはかなり遅れているが、多民族多文化社会への道を確実に歩んでいる。人口減少解消の切り札が移民と言う意見もあるが、多文化社会は文化的対立と言う厄介な問題を内包している。ドイツは難民による犯罪に強制退去など強硬姿勢で対応すると言うが、助けてもらったんだから静かに生活しようとは思わないのか。その辺も文化的対立の範疇なのだろう。


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