7月に北海道苫小牧沖で起きたフェリー火災で、JNNは、救助にあたる海上保安庁とフェリーとの無線の音声を独自に入手しました。火災発生直後、船内の緊迫のやりとりです。

 男性の声が緊急事態を知らせます。
 「こちら、さんふらわあ だいせつ。現在、本船、緊急事態発生、火災発生中」(フェリー)

  「火災の状況を教えてください?」(海保)
 「現在、車両甲板で火災が発生しています」(フェリー)

 今年7月31日、茨城県の大洗から北海道の苫小牧へ向かっていたカーフェリー「さんふらわあ だいせつ」の火災発生直後の無線です。この火災では、乗客乗員94人のうち2等航海士の男性(当時44)が消火にあたっていた最中、行方不明に。

 「船長さん、その船にどれくらい待機、待ち続けられるのでしょうか?」(海保)

  「2等航海士確認するまでですね。ここにとどまっておりますので・・・」
 (だいせつ船長)
 
 「まず、船長さんに先に退船していただいて・・・」(海保)

  「こちら、ちょっと気になるものですから、2等航海士の存在が・・・」
  (だいせつ船長)
 
 「お気持ちはわかるのですが、船長さんに助かってもらうことが第一優先となりますので、早急に退船していただきたいと思います」(海保)

 迫る炎の中、航海士を案じ続けた船長が海上保安庁の説得に応じ船を降りたのは、火災発生の4時間後でした。

 
 「船長も『ギリギリまで船に残っていたい』と思いながらも、自分も心を鬼にして『船長に退船してください』という言葉を伝えた」(交信した第一管区海上保安本部
 岡田透子運用官)

 
航海士は、3日後、船内から遺体で見つかりました。

 
火災があったフェリー航路は北海道と首都圏を結ぶ唯一のルート=海の大動脈で、年末のかきいれ時を控えた今も減便が続いています。(25日11:34)


これぞ日本魂、乗客を放り出して逃げ出してしまうような国の船長とは大違いだ。しかし、日本人と言うのはどうしてこうも悲壮なまでに義務感が強いのか。個人を犠牲にしても職務や集団に尽くすというDNAが脈々と流れているのだろう。こうした人が社会にいる限り、日本はまだまだ大丈夫だろう。


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