陸上自衛隊の対戦車ヘリコプター「AH64D」は、敵機甲部隊への先制攻撃や待ち伏せ攻撃などを加え、地上の味方部隊を空から援護することを任務とする。「アパッチ・ロングボウ」の愛称で知られ、米軍やイギリス軍をはじめ、多くの国の軍隊が採用。アフガニスタンやイラクでも活躍した。その高い戦闘力から“最強ヘリ”との呼び声も高い。

 
陸自では対戦ヘリ「AH1S」(通称・コブラ)の後継として、平成17年度から取得を開始した。メインローター上のロングボウ・レーダーにより、100以上の地上目標の探知が可能で、優先順位をつけて攻撃することもできる。デジタル通信式のデータリンクシステムを搭載し、他の部隊と戦術情報を共有することもできるようになるなど、AH1Sから飛躍的な能力向上が図られた。

 
発射後にターゲットを自動追尾するヘルファイヤ・ミサイルを16発搭載。毎分600発以上の発射速度をほこる30ミリ機関砲や70ミリロケット弾を備えるほか、日本独自仕様となる空対空ミサイル「スティンガー」も備え、戦闘機などに対する反撃能力も持つ。最大速度は時速270キロ、巡航速度は時速210キロ、航続可能距離約500キロをほこる。

 
陸自は当初、高い戦闘力と機動力をほこるAH64Dを62機調達する予定だったが、実際には10機の取得で打ち止めとなった。縮小傾向にある防衛費の中では高価な対戦ヘリを毎年数機しか調達できず、単価が60億円規模から100億円超に高騰。さらに、米国でのAH64Dの生産が終了したことなどが理由だった。

 
調達打ち切りを受け、ライセンス生産を担っていた富士重工は、製造元の米ボーイング社側に支払ったライセンス料や設備投資費など約350億円を回収できなくなったため、国を提訴する騒ぎに発展。最終的に富士重工側の主張が認められた。

 
調達されたAH64Dは、目達原駐屯地(佐賀県神崎郡吉野ヶ里町)や明野駐屯地(三重県伊勢市)などに配備されている。

 
調達にこそ失敗した感はあるが、その攻撃力は侮れない。特に近年では、中国の脅威が高まる島嶼(とうしょ)部の防衛力として、再評価されつつある。陸自幹部は「万一の時に上陸する敵に壊滅的なダメージを与えることができる。AH64Dを配備し、にらみを利かせるだけで抑止力になる」と指摘する。

 
米軍は現在、最新鋭の「AH64E」、通称アパッチ・ガーディアンの配備を進め、韓国や台湾、インド軍なども導入を決定している。陸自にも島嶼防衛のために導入される日がくるかもしれない。


どうするんだろうねえ、AH-1の後継は、・・。日本で戦車戦などの正規戦闘が行なわれる可能性はないのでAH-1が減耗したら放置プレイでそのまま立ち消えかと思ったが、戦闘ヘリはDDHに積んで移動すれば島嶼戦では極めて有効な戦力になるだろう。OH-1の武装化の線も消えたし、V22やAAV7、UH-Xなど金のかかる新装備が目白押しなので当面は手が付けられないだろう。金のかかるライセンス生産などは止めて完成機を輸入、あるいは組立のみを行うノックダウンと言う手もあるが、それにしても財政的に厳しいだろう。南西諸島防衛のために現有機と合わせて3、4個飛行隊分、3、40機は欲しいところだろうが、・・・。同じベルの機体でAH-1Zと言う手もあるかも、・・・。


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