「女性の貧困」というフレーズをよく聞くようになった。今の日本において、貧困に苦しむのは女性だけではないが、賃金格差や非正規雇用者の数、ひとり親になったときの貧困率などを見ると、若い女性が置かれている状況は確かに厳しいと感じる。そして、今貧困を感じていない女性でも、いつ貧困に陥るかわからないという恐さを感じている。20~30代女性の生の声を通じて、彼女たちの生活苦の実態に迫る。
● 日本はもはや豊かな国ではない? 女性たちが喘ぐ「生活苦」の実態
「最貧困女子」「失職女子」「高学歴女子の貧困」。数年前から書店では「女子」と「貧困」を組み合わせたフレーズをよく見かけるようになった。もちろん、貧困は女子にだけ襲いかかっている現象ではない。今年の流行語大賞にノミネートされた「下流老人」「子どもの貧困」など、今や日本列島はどの年代、性別を見ても「貧困」から切り離せない状況となっている。
それでもまだ「貧困」と何らかのフレーズを組み合わせた言葉にインパクトがあるのは、「日本が豊かな国だ」というイメージを多くの人が持っているからかもしれない。しかし、貧困は我々の私生活に確実に忍び寄っている。
色々な指標を見ると、そうした現状が見て取れる。たとえば、日本は子供の6人に1人が貧困と言われ、OECDの発表によれば子どもの相対的貧困率はOECD加盟国34ヵ国中10番目に高い。また、一人親世帯の子どもの相対的貧困率はOECD加盟国中最も高い。一人親家庭の貧困率は50%を超える。そして、日本の平均世帯所得は1994年の664.2万円をピークに下がり続けており、2013年は528.9万円となっている。
中でも前述したように、若年層を中心とする女性の貧困は深刻だ。昨年1月にNHKで放送された「深刻化する“若年女性”の貧困」では、働く世代の単身女性のうち3分の1が年収114万円未満と報じられた。非正規職にしかつけず、仕事をかけ持ちしても充分な収入が得られないという状況だ。
しかし、我々にしてみると、周囲の女性たちから生活に関する深刻な苦労話を直接聞く機会は滅多にない。自分の生活苦を他人に相談することに対して「恥ずかしい」「プライドが許さない」と感じる女性が多いためだろう。こうした状況では、周囲が彼女たちの声にならないSOSに気づいて力になってあげることや、社会が抜本的な対策を講じることは難しい。
実態調査の対象は、全国の一般女性200人。世代の区分が難しいところだが、ここでは現在、貧困の増加が指摘されている若い女性のトレンドを重点的に見るために、企業の職場などで若手~中堅手前と見なされることが多い20代、30代を調査対象とした(回答者は20代98人、30代102人)。また、後述する調査結果のエピソードからもわかる通り、結婚をきっかけに生活苦に陥いる女性も少なくないと思われたことから、既婚・未婚の双方を調査対象にした。
● 日本はもはや豊かな国ではない? 女性たちが喘ぐ「生活苦」の実態
「最貧困女子」「失職女子」「高学歴女子の貧困」。数年前から書店では「女子」と「貧困」を組み合わせたフレーズをよく見かけるようになった。もちろん、貧困は女子にだけ襲いかかっている現象ではない。今年の流行語大賞にノミネートされた「下流老人」「子どもの貧困」など、今や日本列島はどの年代、性別を見ても「貧困」から切り離せない状況となっている。
それでもまだ「貧困」と何らかのフレーズを組み合わせた言葉にインパクトがあるのは、「日本が豊かな国だ」というイメージを多くの人が持っているからかもしれない。しかし、貧困は我々の私生活に確実に忍び寄っている。
色々な指標を見ると、そうした現状が見て取れる。たとえば、日本は子供の6人に1人が貧困と言われ、OECDの発表によれば子どもの相対的貧困率はOECD加盟国34ヵ国中10番目に高い。また、一人親世帯の子どもの相対的貧困率はOECD加盟国中最も高い。一人親家庭の貧困率は50%を超える。そして、日本の平均世帯所得は1994年の664.2万円をピークに下がり続けており、2013年は528.9万円となっている。
中でも前述したように、若年層を中心とする女性の貧困は深刻だ。昨年1月にNHKで放送された「深刻化する“若年女性”の貧困」では、働く世代の単身女性のうち3分の1が年収114万円未満と報じられた。非正規職にしかつけず、仕事をかけ持ちしても充分な収入が得られないという状況だ。
しかし、我々にしてみると、周囲の女性たちから生活に関する深刻な苦労話を直接聞く機会は滅多にない。自分の生活苦を他人に相談することに対して「恥ずかしい」「プライドが許さない」と感じる女性が多いためだろう。こうした状況では、周囲が彼女たちの声にならないSOSに気づいて力になってあげることや、社会が抜本的な対策を講じることは難しい。
実態調査の対象は、全国の一般女性200人。世代の区分が難しいところだが、ここでは現在、貧困の増加が指摘されている若い女性のトレンドを重点的に見るために、企業の職場などで若手~中堅手前と見なされることが多い20代、30代を調査対象とした(回答者は20代98人、30代102人)。また、後述する調査結果のエピソードからもわかる通り、結婚をきっかけに生活苦に陥いる女性も少なくないと思われたことから、既婚・未婚の双方を調査対象にした。
「あなたは使えるお金が少なく、日々の生活が苦しいと感じていますか?」という質問に対して「はい」と答えたのは、調査対象200人の半数を超える114人(57%)に上った。
回答者の中には、「毎日ランチを食べている友人を見て羨ましく感じる自分を生活苦だと思う」(大阪府/28歳・会社員(事務系)、「節約のためにマスカラをやめた」(愛知県/35歳・専業主婦)といった軽めのエピソードもある。バブルと呼ばれる時代だって給料日前は節約モードだったと思われるかもしれないが、今どきの若い女性の多くはバブル時代のように派手に遊んでいるわけではないことを考えると、些細なエピソードからも時代の変化を感じとれるのではないだろうか。
自分を「貧困女子」よりは困っていないと考えている女性でも、何かのきっかけで「貧困」「最貧困」に転落する恐さが現代にはあるのだ。
● 生活が苦しい理由は 「非正規社員だから」が最多
次に、「日々の生活が苦しい」と答えた約6割の女性たちは、具体的にどれくらいくらい生活が苦しいのか。「現在のあなたの年収(配偶者がいる場合は世帯年収)はどれくらいですか」という質問に対する回答は、200万円台が24人、300万円台が同じく24人(ともに21.1%)で最も多かった。一方、「なし(あるいは限りなくゼロに近い)」と答えた人も、15人(13.2%)と高い水準にあった。これに「100万円未満」が13人(11.4%)、「400万円台」が11人(9.6%)、「100万円台」が10人(8.8%)と続く。「500万円以上」と答えた人は全体のわずか17人(5.3%)だ。これを見ると、年収のボリュームゾーンは200~300万円台であり、日本における2013年の世帯所得の平均528.9万円を大きく下回っていることがわかる。
では、彼女たちは年収がどれくらいあれば生活が楽になると考えているのか。「今の生活が楽になるためには、『最低で』どれくらいの年収(配偶者がいる場合は世帯年収)が欲しいですか」という質問に対して、最も多かった回答は400万円以上(25人、21.9%)。他は200万円以上(10人、8.8%)、300万円以上(20人、17.5%)など、約半数にあたる58人は400万円までの年収帯に集中していた(下のグラフ参照)。前述のように「生活が苦しい」と感じる女性の年収のボリュームゾーンは200~300万円台であることから、理想と現実の年収の間には大きなギャップがあることがわかる。一部では、「女性は結婚相手に600万円以上の年収を求める」などと言われるが、それが夢見事ではない女性はごく一部ということだろう。
彼女たちは、なぜこれほど生活が苦しいのだろうか。「生活苦の理由は何ですか?」という問いを投げかけると、「非正規社員(パート、アルバイト、派遣社員など)として働いており、年収が少ない」(36人)が最多となった。この他、「子どもの養育・教育にお金がかかる」(30人)、「ローンや借金があり、月々の返済が多い」(28人)、「夫が低収入(あるいは無収入)で家計のやりくりが厳しい」(26人)、「仕事に就いておらず、決まった収入がない」(24人)などを挙げた人が多かった。いずれも、すぐに生活苦の原因を解消するのが難しそうなケースばかりだ。
ただ一方で「趣味や自己啓発に使う」「貯金する」「浪費してしまう」などの回答も一定割合存在することから、自己責任で生活苦に陥っている人もいることがわかる。女性の生活苦の背景には、実に様々な理由があるのだ。
回答者の中には、「毎日ランチを食べている友人を見て羨ましく感じる自分を生活苦だと思う」(大阪府/28歳・会社員(事務系)、「節約のためにマスカラをやめた」(愛知県/35歳・専業主婦)といった軽めのエピソードもある。バブルと呼ばれる時代だって給料日前は節約モードだったと思われるかもしれないが、今どきの若い女性の多くはバブル時代のように派手に遊んでいるわけではないことを考えると、些細なエピソードからも時代の変化を感じとれるのではないだろうか。
自分を「貧困女子」よりは困っていないと考えている女性でも、何かのきっかけで「貧困」「最貧困」に転落する恐さが現代にはあるのだ。
● 生活が苦しい理由は 「非正規社員だから」が最多
次に、「日々の生活が苦しい」と答えた約6割の女性たちは、具体的にどれくらいくらい生活が苦しいのか。「現在のあなたの年収(配偶者がいる場合は世帯年収)はどれくらいですか」という質問に対する回答は、200万円台が24人、300万円台が同じく24人(ともに21.1%)で最も多かった。一方、「なし(あるいは限りなくゼロに近い)」と答えた人も、15人(13.2%)と高い水準にあった。これに「100万円未満」が13人(11.4%)、「400万円台」が11人(9.6%)、「100万円台」が10人(8.8%)と続く。「500万円以上」と答えた人は全体のわずか17人(5.3%)だ。これを見ると、年収のボリュームゾーンは200~300万円台であり、日本における2013年の世帯所得の平均528.9万円を大きく下回っていることがわかる。
では、彼女たちは年収がどれくらいあれば生活が楽になると考えているのか。「今の生活が楽になるためには、『最低で』どれくらいの年収(配偶者がいる場合は世帯年収)が欲しいですか」という質問に対して、最も多かった回答は400万円以上(25人、21.9%)。他は200万円以上(10人、8.8%)、300万円以上(20人、17.5%)など、約半数にあたる58人は400万円までの年収帯に集中していた(下のグラフ参照)。前述のように「生活が苦しい」と感じる女性の年収のボリュームゾーンは200~300万円台であることから、理想と現実の年収の間には大きなギャップがあることがわかる。一部では、「女性は結婚相手に600万円以上の年収を求める」などと言われるが、それが夢見事ではない女性はごく一部ということだろう。
彼女たちは、なぜこれほど生活が苦しいのだろうか。「生活苦の理由は何ですか?」という問いを投げかけると、「非正規社員(パート、アルバイト、派遣社員など)として働いており、年収が少ない」(36人)が最多となった。この他、「子どもの養育・教育にお金がかかる」(30人)、「ローンや借金があり、月々の返済が多い」(28人)、「夫が低収入(あるいは無収入)で家計のやりくりが厳しい」(26人)、「仕事に就いておらず、決まった収入がない」(24人)などを挙げた人が多かった。いずれも、すぐに生活苦の原因を解消するのが難しそうなケースばかりだ。
ただ一方で「趣味や自己啓発に使う」「貯金する」「浪費してしまう」などの回答も一定割合存在することから、自己責任で生活苦に陥っている人もいることがわかる。女性の生活苦の背景には、実に様々な理由があるのだ。
● 「2日間水しか飲んでいない」 女性たちが明かす仰天の生活苦
それではここから、女性たちが語ってくれた、生々しい「生活苦」のエピソードを紹介していこう。「あなた自身が『私は生活苦だな』と感じた体験談、あるいはあなたが(女性の)同僚や友人などを見ていて『あの人は生活が苦しそうだな』と感じたエピソードを教えてください」という質問に対して、まず目立ったのが、食費の節約に関する回答である(回答の原文ママ)。
「給料日前には食べるものがもやしや豆腐といったやすくて腹持ちのいい食材になるとそう感じる」(神奈川県・24歳専業主婦)
それではここから、女性たちが語ってくれた、生々しい「生活苦」のエピソードを紹介していこう。「あなた自身が『私は生活苦だな』と感じた体験談、あるいはあなたが(女性の)同僚や友人などを見ていて『あの人は生活が苦しそうだな』と感じたエピソードを教えてください」という質問に対して、まず目立ったのが、食費の節約に関する回答である(回答の原文ママ)。
「給料日前には食べるものがもやしや豆腐といったやすくて腹持ちのいい食材になるとそう感じる」(神奈川県・24歳専業主婦)
「友人がお金がなくて2日間水しか飲んでいないと言われたとき苦しそうだと思った」(東京都・31歳会社員)
「パン屋で100円以上のパンを買うのに抵抗があること」(東京都/35歳・専業主婦)
「毎日パスタ(調味ナシ)しか食べてない」(東京都/34歳・自営業)
「カップラーメン生活になった時」(東京都/24歳・専業主婦)
「お腹が空いたら醤油を舐める」(大阪府/25歳・会社員(技術系))
「買い物はもっぱら人参ジャガイモ玉ねぎが基本。季節の野菜など楽しむ余裕なし。肉もササミが主。魚なんかは買えない。常になるべく消費期限が長めの物をえらぶ」(山口県/28歳・専業主婦)
給料日前などの数日間ならまだしも、日常的に食費をギリギリまで制限しなければならないことは、心身を疲労させるだろう。今は安価でも食材が手に入るものの、栄養が偏り、「貧困層にこそ肥満が多い」ことも指摘されている。エピソードの中に「パスタ」や「カップラーメン」という言葉が散見されたが、簡単に安く食事をしようとすると炭水化物に偏りがちだ。食材の選択肢が少ないことが貧困を感じさせる。
主婦たちからの意見で目立ったのは、「子どもへのしわ寄せがある」という意見。
「苦しいけど、苦しいとか貧乏とかいう言葉は子供の前では使いたくなくて、無理して頑張ってる子供たちにはある程度お金をかけてあげたいので、自分のことはとりあえず後回し食べること、着るもの、趣味など」(埼玉県/39歳・専業主婦)
「子供の誕生日を祝ってあげられないと聞いた時」(宮城県/36歳・専業主婦)
「パン屋で100円以上のパンを買うのに抵抗があること」(東京都/35歳・専業主婦)
「毎日パスタ(調味ナシ)しか食べてない」(東京都/34歳・自営業)
「カップラーメン生活になった時」(東京都/24歳・専業主婦)
「お腹が空いたら醤油を舐める」(大阪府/25歳・会社員(技術系))
「買い物はもっぱら人参ジャガイモ玉ねぎが基本。季節の野菜など楽しむ余裕なし。肉もササミが主。魚なんかは買えない。常になるべく消費期限が長めの物をえらぶ」(山口県/28歳・専業主婦)
給料日前などの数日間ならまだしも、日常的に食費をギリギリまで制限しなければならないことは、心身を疲労させるだろう。今は安価でも食材が手に入るものの、栄養が偏り、「貧困層にこそ肥満が多い」ことも指摘されている。エピソードの中に「パスタ」や「カップラーメン」という言葉が散見されたが、簡単に安く食事をしようとすると炭水化物に偏りがちだ。食材の選択肢が少ないことが貧困を感じさせる。
主婦たちからの意見で目立ったのは、「子どもへのしわ寄せがある」という意見。
「苦しいけど、苦しいとか貧乏とかいう言葉は子供の前では使いたくなくて、無理して頑張ってる子供たちにはある程度お金をかけてあげたいので、自分のことはとりあえず後回し食べること、着るもの、趣味など」(埼玉県/39歳・専業主婦)
「子供の誕生日を祝ってあげられないと聞いた時」(宮城県/36歳・専業主婦)
「子供達にまで必要な物を我慢させています。必要な物なのに不憫でならない」(北海道/38歳・専業主婦)
「子供に好きなことをさせてあげられない。情けないと思う」(三重県/36歳・専業主婦)
自分たちの我慢は仕方ないと思えても、子どもにまで「貧困」を感じさせたくないという心情。今の20代、30代は、子どもの頃に貧困を感じず、不自由なく育った人も多い。生活水準が下がり、親からしてもらったことを自分の子どもにはしてあげられないという悔しさもあるだろう。
また、「今はいいけど、将来が不安で子供はもう産めない」(宮城県・34歳会社員(営業系))、「妊娠して出産費がかかるのに自分は働けず、さらに夫の給料が下がった時」(東京都・35歳専業主婦)という声もあった。少子化が大きな社会問題となっているが、産んだ後のセーフティーネットは少なく、自己責任論が強い日本。金銭的な余裕がなく子どもを諦めるという声、さらには「子どもは贅沢品」という声すら聞こえてくる。
● コミュニティからの疎外が さらなる貧困を招く
生活苦のため、付き合いを制限しているという声もある。
「飲み会や結婚式の招待をキャンセルしていたこと」(東京都/30歳・会社員(事務系))
「週一である飲み会に行けなくなった時」(三重県/28歳・会社員(営業系))
「遊びに誘ってもお金がなくて遊びにいけないと断ってきた友達がいて生活苦だなと思いました」(東京都/24歳・会社員(技術系))
「周りの人がみんな買っている物を買えない時」(北海道/21歳・大学生)
人付き合いよりも節約の方が大事、お金がないなら付き合いは二の次でいいという意見もあるだろうが、コミュニティからの孤立は、心理的な負担となる。また、近所同士で子供を預かったり、必要な情報を交換したりといったつながりから疎外されることは、さらなる生活苦を招きかねない。鈴木大介氏の『最貧困女子』(幻冬舎)では、友人同士でガソリン代を出し合って買い出しに行く地方の20代が取材されているが、こういったつながりを持てないことは、ライフラインの1つを断たれることだとも指摘されている。
「車がない」(福岡県/35歳・会社員(営業系))という回答もあった。交通手段が多い都会に住んでいるとその感覚はわからなくなりがちだが、地方で自家用車は贅沢品ではなく、生活必需品だ。それどころか、「交通費の160円なども高く感じた時」(東京都/22歳・大学生)という回答さえあった。
「子供に好きなことをさせてあげられない。情けないと思う」(三重県/36歳・専業主婦)
自分たちの我慢は仕方ないと思えても、子どもにまで「貧困」を感じさせたくないという心情。今の20代、30代は、子どもの頃に貧困を感じず、不自由なく育った人も多い。生活水準が下がり、親からしてもらったことを自分の子どもにはしてあげられないという悔しさもあるだろう。
また、「今はいいけど、将来が不安で子供はもう産めない」(宮城県・34歳会社員(営業系))、「妊娠して出産費がかかるのに自分は働けず、さらに夫の給料が下がった時」(東京都・35歳専業主婦)という声もあった。少子化が大きな社会問題となっているが、産んだ後のセーフティーネットは少なく、自己責任論が強い日本。金銭的な余裕がなく子どもを諦めるという声、さらには「子どもは贅沢品」という声すら聞こえてくる。
● コミュニティからの疎外が さらなる貧困を招く
生活苦のため、付き合いを制限しているという声もある。
「飲み会や結婚式の招待をキャンセルしていたこと」(東京都/30歳・会社員(事務系))
「週一である飲み会に行けなくなった時」(三重県/28歳・会社員(営業系))
「遊びに誘ってもお金がなくて遊びにいけないと断ってきた友達がいて生活苦だなと思いました」(東京都/24歳・会社員(技術系))
「周りの人がみんな買っている物を買えない時」(北海道/21歳・大学生)
人付き合いよりも節約の方が大事、お金がないなら付き合いは二の次でいいという意見もあるだろうが、コミュニティからの孤立は、心理的な負担となる。また、近所同士で子供を預かったり、必要な情報を交換したりといったつながりから疎外されることは、さらなる生活苦を招きかねない。鈴木大介氏の『最貧困女子』(幻冬舎)では、友人同士でガソリン代を出し合って買い出しに行く地方の20代が取材されているが、こういったつながりを持てないことは、ライフラインの1つを断たれることだとも指摘されている。
「車がない」(福岡県/35歳・会社員(営業系))という回答もあった。交通手段が多い都会に住んでいるとその感覚はわからなくなりがちだが、地方で自家用車は贅沢品ではなく、生活必需品だ。それどころか、「交通費の160円なども高く感じた時」(東京都/22歳・大学生)という回答さえあった。
● 「貧困」に陥る可能性は もはや誰にでもあるという現実
アンケートの中には、「毎日お金で悩む。我慢ばかりで辛い。ストレス」(東京都/28歳・会社員(技術系))という回答もあった。貧困は精神をも蝕む。
また、「持病がある為、収入の殆どが医療費になってしまう事」(東京都/30歳・会社員〈事務系など〉)、「結婚当初は共働きでしたが、私が体調を崩し退職したため、世帯収入が半分になりました」(東京都/35歳・会社員〈事務系など〉)といった回答もあった。誰でも、急に病に倒れる可能性はある。先日、高額療養費の見直しが報じられたが、医療費の負担で家計が危ぶまれる事態を「人ごと」と割り切れる人はどのくらいいるのだろう。
「授かり婚だったが、結婚と同時に夫が健康保険、年金などを今まで払っていなかったことを知り、自分は産休で休職中にもかかわらず、滞っていた分を貯金から支払い、それでも足りない分は毎月分割して支払っている。認可の保育園に入れていないので、今もフルタイムでは働けず、給与が少ないが、夫も自営業で安定した給与が入る補償がないので、少しでも貯蓄をしようと日々の生活費を削っている状態。夫は危機管理能力が低いらしく、浪費家なので、倹約してほしいと訴えているが、『努力しているけど、すぐには変われない』と開き直り未だに浪費している。自分が苦しいとは思わないが、もう少し改善したいと思っている」(東京都/31歳・自営業〈自由業含む〉)
「正直、はたから見たら私は生活苦ではないのかもしれないし、私よりも生活苦の人は多いはず。親が離婚し、2人とも高齢なので、生活レベルが下がったがそれをサポートできる余裕が自分にないという点で生活苦と感じる。また同世代の友人が高収入を得ていて、タワーマンションを購入とか海外旅行に頻繁に行くSNSの投稿を見ると憂鬱になり、自分の今の現状が辛くなる」(東京都/31歳・会社員〈事務系など〉)
認可保育園に入れない、自分にも余裕がない中、親を支えなければいけない現実、すぐそこにある格差。どれも、現代の日本の状況を非常によく表しているように思える。
ここで紹介したような状況は、一昔前ならば「今は大変だけど、みんなも同じように大変。でも、しっかり働いていれば給料も上がるし楽になる」と希望を持つこともできたかもしれない。しかし、今の若い世代はそうではないのだろう。特に企業の賃金カーブを見れば明らかなように、女性の場合は男性のように、年齢と賃金が比例する傾向も見えづらい。
毎日の節約をまだ笑っていられる状況から「貧困」への距離は、それほど遠くない。そう感じるからこそ、多くの人が不安を感じているのだ。こうした現状に対して、日本は国としてどう考え、どんな対策を練るべきなのだろうか。
アンケートの中には、「毎日お金で悩む。我慢ばかりで辛い。ストレス」(東京都/28歳・会社員(技術系))という回答もあった。貧困は精神をも蝕む。
また、「持病がある為、収入の殆どが医療費になってしまう事」(東京都/30歳・会社員〈事務系など〉)、「結婚当初は共働きでしたが、私が体調を崩し退職したため、世帯収入が半分になりました」(東京都/35歳・会社員〈事務系など〉)といった回答もあった。誰でも、急に病に倒れる可能性はある。先日、高額療養費の見直しが報じられたが、医療費の負担で家計が危ぶまれる事態を「人ごと」と割り切れる人はどのくらいいるのだろう。
「授かり婚だったが、結婚と同時に夫が健康保険、年金などを今まで払っていなかったことを知り、自分は産休で休職中にもかかわらず、滞っていた分を貯金から支払い、それでも足りない分は毎月分割して支払っている。認可の保育園に入れていないので、今もフルタイムでは働けず、給与が少ないが、夫も自営業で安定した給与が入る補償がないので、少しでも貯蓄をしようと日々の生活費を削っている状態。夫は危機管理能力が低いらしく、浪費家なので、倹約してほしいと訴えているが、『努力しているけど、すぐには変われない』と開き直り未だに浪費している。自分が苦しいとは思わないが、もう少し改善したいと思っている」(東京都/31歳・自営業〈自由業含む〉)
「正直、はたから見たら私は生活苦ではないのかもしれないし、私よりも生活苦の人は多いはず。親が離婚し、2人とも高齢なので、生活レベルが下がったがそれをサポートできる余裕が自分にないという点で生活苦と感じる。また同世代の友人が高収入を得ていて、タワーマンションを購入とか海外旅行に頻繁に行くSNSの投稿を見ると憂鬱になり、自分の今の現状が辛くなる」(東京都/31歳・会社員〈事務系など〉)
認可保育園に入れない、自分にも余裕がない中、親を支えなければいけない現実、すぐそこにある格差。どれも、現代の日本の状況を非常によく表しているように思える。
ここで紹介したような状況は、一昔前ならば「今は大変だけど、みんなも同じように大変。でも、しっかり働いていれば給料も上がるし楽になる」と希望を持つこともできたかもしれない。しかし、今の若い世代はそうではないのだろう。特に企業の賃金カーブを見れば明らかなように、女性の場合は男性のように、年齢と賃金が比例する傾向も見えづらい。
毎日の節約をまだ笑っていられる状況から「貧困」への距離は、それほど遠くない。そう感じるからこそ、多くの人が不安を感じているのだ。こうした現状に対して、日本は国としてどう考え、どんな対策を練るべきなのだろうか。
最近はこうした貧困と言う記事を良く見かけるが、実際に、「本当なのかね」と思うところはある。確かにバブル崩壊以降は給与も減少傾向だし、生活を楽しむなどと言う余裕の部分は少なくなっているのかもしれないが、ここまでひどいのかとも思う。
自分で稼いで生活するようになってからそうそう余裕はないが、金に不自由するということはなかった。現在も特にそういうことはない。職場で小遣いが、「月3万円以下」と言うのもずい分いたが、3万でやっていけるはずもないし、あちこちでやり繰り算段をして金の(主に飲み大だが、・・)工面をしていた。
僕は酒は飲まないが、まあ、付き合いなどでそれなりの出費はあって足を出すこともあったが、予備費などで賄っていた。今は独り者でそれなりに蓄えもあるのでお気楽ではある。普通に生活していく分については貧困に陥ることはないと思う。もっとも何が貧困かは分からないが、生活に困ると言うことはないだろう。
日本の経済もバブル崩壊後の経済政策の失敗などで低迷はしているが、2015年のGDPは、530兆円ほどにもなると言う。もちろん、米中の2大国にはずい分と差があるが、それでも世界第3位の経済大国ではある。ど
うしてそうそう貧困が増えるのか。一つには一度豊かになった生活を給与水準に見合ったものに下げられないと言うこともあるだろう。そしてもう一つは非正規雇用が増加したことにあるのではないか。日本のように人件費が高くなり過ぎた国では会社の経営合理化には人件費を圧縮するのがもっとも手っ取り早い。
日本の企業もバブル崩壊で煽りを受け、その後も新興国に追い上げられ、厳しい時代を送ってきた。だからある程度景気が落ち着いてきても出来るだけ出るを抑えようとしている。
共産党は、「大企業に重税を、・・」などと言うが、大企業から税金をたくさん取ればそれは従業員の給与に跳ね返ってくる。企業も庶民も結局は運命共同体で給与を上げてやらなければ消費が停滞して企業業績が低下する。結局は悪循環で何時まで経っても景気など良くならない。企業は内部留保などと言って金を貯め込まずに給与に回してやる。給与生活者はその金を貯め込まずに消費に回す。そうすれば金が回って景気も良くなるだろう。
日本は今後大きく経済が伸びるということは望めない。しかし、堅実な成長を続けることは可能だろう。そのためには金を回さないといけない。流通させないと経済は活性化しない。企業も国民も政府も一蓮托生、運命共同体でそれぞれが全く違った次元で関係を持たずに生活しているわけではない。羹に懲りて膾を吹くようなことはそれぞれお互いに止めるべきだろう。
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