宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、探査機「あかつき」の金星周回軌道投入に成功したと発表した。7日に実施したエンジン噴射のデータを解析した結果、予定の軌道に入ったことを確認した。5年前の失敗を乗り越えての成功で、日本初の惑星探査が実現する。

 
あかつきは金星に最接近した7日、小型の姿勢制御用エンジン4基を逆噴射して減速し、軌道投入を目指していた。JAXAによると、機体も正常な状態という。順調に行けば来年4月から2年間、本格的な観測を実施する。

 
投入した軌道は楕円(だえん)形で、来春には金星までの距離が最大約30万キロの軌道に入る。今後、約3カ月かけて観測機器の動作状態のチェックや軌道の高度を変えるなどの準備を行う。

 
あかつきは平成22年5月に種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられたが同年12月、主エンジンの故障で金星周回軌道投入に失敗していた。

 
日本は火星探査機「のぞみ」が15年に周回軌道投入を断念しており、あかつきの成功で惑星探査に大きな一歩を踏み出す。故障しながら22年に小惑星から帰還した探査機「はやぶさ」のような復活となった。

 
あかつきは金星の気象を観測し、大気循環のメカニズムなどを解明することが探査の目的。当初は約30時間で金星を一周する予定だったが、今回の軌道は距離が長く8~9日かかる。

 
金星は旧ソ連、米国、欧州が探査してきたが、地球との大気循環の違いなど謎はまだ多い。あかつきの探査目標はユニークで、地球の気象の理解にもつながると期待される。


素晴らしいの一語に尽きる。5年前の失敗を見事にリカバリーした。日本は人口が減少して国が衰退すると言うが、これだけの技術を持った国がそうそう簡単に衰退するはずもない。技術は国を救い、富ませる。官民ともに技術研究開発には金をケチらずにどんどん投資すべきだろう。技術立国、日本が取るべき道は他にはない。


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