岩城光英法相は20日の閣議後会見で、パリの同時多発テロ事件を受けて、重大な犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる「共謀罪」の創設を求める声が自民党内にあることについて、「これまでに国会で示された不安や懸念を踏まえ、法案のあり方を慎重に検討しており、国会に提出する時期は未定だ」と述べ、慎重な姿勢を示した。
自民党ではテロ事件の発生後、谷垣禎一幹事長が共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法を改正する必要性に言及。高村正彦副総裁も同様の考えを示している。
共謀罪をめぐっては、国連で国際組織犯罪防止条約が2000年に採択されたのに伴い、政府が組織的犯罪処罰法の改正案などを国会に提出。世論や野党の反発で計3回廃案になった。岩城法相は「国際社会と協調して組織犯罪とたたかうことは重要な課題。条約の締結に伴う法整備は進めていく必要がある」とも述べ、これまで通り条約の締結をめざしていく政府の立場を説明した。
「共謀罪」の創設については以前も、「あいつを殴ってやろう」と相談しただけで逮捕されるとかいろいろ言われて3度も廃案になっているが、実際には供述証拠の証明力が低下している現状を見ると共謀罪を立証するのは極めて難しいと言わざるを得ない。共謀とは実際の犯行に着手する以前の謀議、つまり犯罪の証拠は供述だけになるのでそれを法廷で立証するのはそうそう簡単なことではない。犯罪実行謀議書でも作って自筆で署名、指印でもしてくれればいいのだが(血判ならなおさら良い)、そんなことをする犯罪者はいないだろう。「あいつを殴ってやろう」と話しただけで捕まるなど現実的にはあり得ない。捜査機関もそんなにひまではないだろう。メディアもあまりいい加減なレベルの低いことは書くべきではない。テロなどの組織的な殺人、薬物や武器、爆発物、危険物の密輸・隠匿所持、組織的な人質誘拐などには共謀罪の適用も必要なのではないだろうか。
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