週末ツーリングに行って雨の中や夜の山の中を走ったためか、風邪をひいて体調が悪い。今年は風邪ばかり引いているのは年のせいだろうか。ところで教習所には大型二輪免許を取りに来る女性ライダーが結構多い。彼女たちの一番の心配なことはバイクを乗りこなせるかではなくバイクを起こせるかということのようだ。そう言えば最初に倒れたバイクを起すこととバイクを引き回すことをやらされる。
ここではCB750とNC750を使っているが、引き起こしはCB750でやる。重量は240キロ程度でまあ重いというほどではない。免許を取った時はステアリングバーとリアガードを掴んでそのまま一気に引き起こせた。しかし、自分のCB1300はそれをやると腰に来る。重量級バイクを甘く見てはいけない。
まあ、それはそれとして今日も女性の入所者が、コースで教習を見ながら心配そうに、「今日から教習を始めるんですけどバイクを起せるかどうか心配で、・・。」と言う。その前に、「主人がお世話になりました」と言っていたのでだんなさんがここで免許を取った時に会っているのだろうけどちょっと思い出せなかった。
こけたバイクを起すのは簡単である。ステアリングバーとパッセンジャーバー辺りを持って、腰でも、腰が入らなかったら腿でもいいから車体に押し当ててそのまま足で斜め上方に押し上げれば簡単に起きる。
チンパンジーやオランウータンなど樹上生活をしている類人猿の腕力は車のドアを引きちぎるほど強いという。人間など簡単にバラバラにされてしまうらしい。それは腕で枝にぶら下がって木から木へと移動して生活しているからだろう。同様に人間は2本の足で地上を駆け回っているので足の力は腕とは比較にならないほど強い。だから足で押せば300キロ超のバイクでも簡単に起せる。この際注意しなくてはいけないことは腰(腰椎)に体重がかからないようにすること。大腿部あるいは骨盤で重量を支えるようにしないと腰椎を圧迫骨折するかもしれない。
Youtubeでバイクに背を向けて座り、しりをバイクに押し当ててしりで押して起している動画があったが、これもしりの力ではなく足でバイクを押し上げている。心配そうにしていた女性も午後の教習ではCB750をすいすい転がしていたので大丈夫だったんだろう。
完全に寝転がってしまったバイクはなかなか難しいが、腰を落として足の入るスペースを作ってから足で押せば良いだろう。あるいはバイクの上に身体を預けて足で押せばいい。ただ、バイクは絶対に前に押してはいけない。斜め上方に押さないと路面で擦れてダメージが大きくなる。
ところでバイクをこかす3条件は、「慌てて動かした時」「深く考えずに動かした時」「恐る恐る動かした時」で、バイクは冷静に状況をしっかりと把握して気合を入れて動かすべきだろう。
教習所に勤めるようになってから指導員がこけるのを2、3回見ているのでこかすのは上手い下手は関係ないようだ。今、女性教習生がエンストさせてこけていた。ブレーキレバーが折れたようだ。教習所のバイクも大変だ。それにしてもこんな話をしていると悪夢が蘇える。もう止めよう。でも自立できないという宿命を背負ったバイクに乗るにはこけることを想定して一人でバイクを起すことができないととんでもないことになる。バイクの起し方はしっかり教えておくべきだろう。
※ 指導員に聞いたら、「ちょっと手伝ってやりました」と言っていた。次の女性教習生もステアリングバーを引張ってもらっていた。だめだろう。自分できちんと起せるまでやらせないと。
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