安全保障関連法案に反対する市民団体は、参院特別委員会で法案が可決された17日夜も東京・永田町の国会議事堂周辺でデモ集会を開いた。民主党などの野党議員も参集し、民主党の辻元清美政調会長代理が安倍晋三首相を「クーデター」の首謀者として糾弾した。
「国会の外では圧倒的な人たちが『廃案』と言っている。しかし国会の中では、国民を切り捨てる首相が権力をハイジャックし、クーデターを起こしているに等しい」
辻元氏は雨の中でマイクを握りながら、こう訴えた。選挙を経た国会議員による多数決を首相の「クーデター」と言い切るのは暴論といえるが、集会参加者から「異議なし!」「がんばれ!」との声が上がった。
集会は午後6時半から、護憲団体などでつくる実行委員会が主催し、国会正門前の歩道は身動きできないほどの人で埋め尽くされた。会場には労働組合や左派系学生団体ののぼり旗が目立った。
また、社民党の福島瑞穂副党首も「強行採決は採決ではない。私たちはこんな内閣を許さない。彼らは歴史の犯罪者となるでしょう!」と声を張り上げた。
さらに午後7時半過ぎには安保法案に反対する学生団体「SEALDs(シールズ)」が集会の主催を引き継いだ。
「安倍を倒せ」
「独裁許すな」
「野党がんばれ」
「民主主義って何だ!これ(集会)だ!」
「安倍を倒せ」
「独裁許すな」
「野党がんばれ」
「民主主義って何だ!これ(集会)だ!」
シールズの学生が壇上で音頭を取り、ラップ調のシュプレヒコールを延々と繰り返した。
日本女子大(東京)の学生は、自殺したナチスドイツの指導者に安倍首相をなぞらえ、こう批判した。
「国会は機能しておらず、政府の好き勝手。まるであのヒトラー首相だ。自民党と公明党が選挙で過半数をとったからといって憲法違反する。ナチスと同じ独裁国家です。ヒトラーの最期はみんな知っています」
クーデターとは同一階層内での武力による権力の移転のことで日本で言えば明治維新はその例だろう。公正な選挙によって権力の座にある現政権がクーデターと言うのは全く当たらない。ハイジャックなどとほとんど八つ当たりのようなものでまともな意味をなしてはいない。
こうした発言はほとんどヒステリックと言うべきだろう。国民の意思を無視したというが、選挙で現政権を選んだのは国民だから国民にもその責任の一端はある。現政権がダメと言うなら次の選挙で政権を取って政権を運営するのが民主主義だろう。現政権の政策がいいとは思わない。過ぎたところ、足らないところも多々あるだろう。それを正して補っていくのが野党の役割りで何でも反対、反対では政治は進歩しない。
それにしても、怒号と暴力、セクハラバリケードなどレベルの極めて低いことをしていないで現政権が提案した安保法制に対して、対案を出して各論で議論すべきではなかったか。その方が議論が深まっただろうし、国民にも分かり易かっただろう。泣き喚いたり、怒鳴り散らしたりするのを政治とは言わない。冷静に客観的に、そしてしなやかに強かに政策で勝負すべきだろう。
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