米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設で政府と沖縄県は14日、全面対決に入った。政府は埋め立て承認の取り消しの効力停止で辺野古移設を推進しつつ、基地縮小を翁長雄志(おなが・たけし)知事が阻んでいるという構図を浮き彫りにして攻勢に転じる構え。一方、翁長氏は法廷闘争に不安を抱え、世論戦が頼みの綱となる。

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「一日も早く移設を実現し、地元の心配をなくす」

 
安倍晋三首相は14日、翁長氏の措置に左右されない考えを重ねて示した。政府内には集中協議の終了直後に移設作業を再開することに慎重論もあったが、日米合意の履行に断固たる姿勢を示すべきだと判断した。

 
承認取り消しへの対抗策は行政不服審査法による効力停止だ。翁長氏が3月に辺野古沖での移設作業中止を防衛省に指示した際、林芳正農林水産相は「普天間飛行場の危険性継続」と「日米関係への悪影響」を理由に、防衛省の不服申し立てから6日後に指示の効力を停止。今回の太田昭宏国土交通相への申し立てでも、これが「効力停止の論拠になり得る」(政府高官)という。

 
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は「さまざまな努力を無視し、残念だ」と翁長氏を批判。この発言は、辺野古移設のみならず、米軍北部訓練場(東村など)の返還計画も念頭に置いている。

 
北部訓練場の過半が返還される計画はヘリ着陸帯の移設が前提だが、移設反対派は県道を拠点に工事車両の通行を妨害。県が規制すべきだが、反対派や革新勢力の支持を受ける翁長氏は傍観を決め込んでいる。

 
政府高官は「継続する県との協議の場では、基地縮小に対する翁長氏の不作為をあぶり出す」と明かす。

 
一方、翁長氏は埋め立て承認の取り消しの「原因となる事実」と題する文書を公表した。承認の瑕疵(かし)を指摘した有識者委員会の報告書のうち主に環境対策の不備を引用しているが、県幹部は「法廷闘争では『ただちに違法とまではいえない』と切り捨てられるのでは」と指摘する。

 
翁長氏は今月下旬の国連人権理事会で辺野古移設反対を訴えるが、どこまで共感を得られるか未知数。埋め立て承認の取り消しを上回る手札は見当たらず、法廷闘争も時間がかかる。その間、移設工事は進み、反対派が不満を募らせれば、県民投票や再度の知事選で求心力を維持しようとすることが現実味を帯びる。


今後は法廷闘争に発展しそうな辺野古問題だが、沖縄の世論と言っても建設業界は工事で落ちる莫大な経費を当て込んでいるだろうし、地元も条件付で移設に賛成している。先島は中国の脅威に不安を感じているし、宜野湾市長は普天間の危険性除去を最優先としている。沖縄振興費3200億円も全額は無理だろうが、一部の執行停止など兵糧攻めもあるかもしれない。在沖縄米軍基地の自衛隊との共同使用も計画が進んでいるというが、そうするとこれまでの米軍基地の定義では沖縄に米軍基地がなくなってしまうなどと言う事態も考えられる。埋め立て取消の根拠と言う瑕疵といってもなんとなくこじつけの感がある。左翼勢力に担がれて信仰のような理由付けで辺野古移設阻止ばかりこだわっていると足元から崩れるかもしれない。


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