菅義偉(すが・よしひで)官房長官と沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は29日、米軍普天間飛行場(同県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設に関する集中協議の4回目の会合を那覇市内で開いた。辺野古移設を推進する菅氏と辺野古移設阻止を掲げる翁長氏の主張の溝は埋まらず、集中協議は平行線のまま終了することが濃厚となった。政府は集中協議が終了した後も別の枠組みで県との協議は継続する方針だ。
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一方、翁長氏は会合後、集中協議が延長されなければ辺野古の埋め立て承認を取り消す考えを記者団に示唆し、協議の継続方法が焦点になりそうだ。
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一方、翁長氏は会合後、集中協議が延長されなければ辺野古の埋め立て承認を取り消す考えを記者団に示唆し、協議の継続方法が焦点になりそうだ。
菅氏は会合後、「普天間飛行場の危険除去と閉鎖の必要性では一致したが、方法については著しく距離がある」と記者団に述べた。今後、この問題がどう進んでいくのか分からないが、現政権が続く限り、最終的には政府が押し切るのだろう。政府には兵糧攻めという手があるが、それも露骨にやると帰ってマイナスだろうから懐柔策を模索しながら建設を進めていくのだろう。中国が覇権主義を先鋭化させている現状では米軍の存在は不可欠だろうし、国としても、「そんなに反対するなら止めます」とは言えないだろう。
集中協議は防衛省が辺野古での移設作業を中断した8月10日から9月9日までの1カ月間に5回程度開くことになっている。次回は9月上旬に菅氏ら沖縄関係閣僚と翁長氏が首相官邸で会合を開く方向だが、政府内には「辺野古移設で折り合う余地は極めて少ない」(高官)との見方が多い。
政府は妥協点を見いだせないまま集中協議を打ち切らざるを得ない情勢だが、別の協議の枠組みを設け、基地負担軽減や沖縄振興策について意見交換を続ける。菅氏は沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事から協議を継続するよう要望されており、それを受け入れる形だ。
協議の枠組みは、沖縄関係閣僚と翁長氏で構成するものか、関係各府省の事務レベルと安慶田氏らで構成するものが想定される。
県が協議の継続を求めているのは、政府とのパイプが切れれば県経済界などから批判が高まることを懸念しているためだ。翁長氏には、在任中に普天間飛行場の移設問題で対立を先鋭化させた大田昌秀元知事が政府とのパイプを失い、県内での政治力を低下させたことの二の舞いを避けたいとの思惑もある。
政府側も基地負担軽減を進めるためには県の協力が不可欠として協議継続に前向きだった。菅氏が29日、返還計画のある米軍北部訓練場を抱える東村と国頭村の村長と会談したのも、負担軽減について県の理解と協力を得るための環境づくりの一環だった。
ただ、集中協議が終われば防衛省は辺野古の移設作業を再開し、県も辺野古の埋め立て承認を取り消す見通しで、全面対決の局面を迎える中、協議が実効性を伴うかは未知数だ。
左派の支持を受けて当選した沖縄県知事としては、「金をやるからどうだよ」と言われても、「はい、そうですか」と言うわけにも行かないだろう。政府としても米国に対する公約もあり、また中国が覇権主義を先鋭化させている現状では普天間の辺野古移設はやり遂げざるを得ないだろう。政府には兵糧攻めという手もあるが、あまり露骨にやるとイメージダウンになるので懐柔策を前面に切り崩しを図っていくのだろう。沖縄も米軍基地に虐げられてきたとは言ってもその米軍基地で食ってきたのも事実で内情は複雑だろう。訴訟とは言っても最高裁で判決が出るまでには基地は出来上がっているかもしれない。
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