うるま市沖で訓練中に、米海軍輸送艦への着艦に失敗して墜落した米陸軍特殊作戦航空連隊のMH60ヘリコプターの同型機2機が18日午後、米軍嘉手納基地を離陸した。事故後、同型機が飛行するのは初めてで、訓練を再開したとみられる。米軍は同日までに事故原因や再発防止策を明らかにしておらず、原因究明や再発防止策などを求めてきた関係自治体などから反発の声が挙がっている。
 

目撃者によると、2機は午後1時、並んで同基地を離陸。東シナ海側に飛び立ち、北部方面に向かったという。午後5時15分ごろ、編隊を組んで沖縄市方面から同基地へ着陸した。
 

2機は先日、事故機とともに、海賊に乗っ取られた船を奪い返す想定の訓練をしていたとみられている。
 

事故後、県や6市町村、県内7政党などは相次いで事故の詳細や原因究明、再発防止策の徹底などを沖縄防衛局や外務省沖縄事務所、在沖米陸軍に求めた。
 

防衛局は「米側に迅速な情報共有と原因究明、実効性ある再発防止策を求めている」と回答。だが18日までに、関係自治体などに詳細は伝えられていない。
 

事故機の同型機が飛行再開したことに、島袋俊夫うるま市長は「米軍の安全判断は常に一方的すぎる。県民の尊厳が全く尊重されない」と憤る。事故現場は漁場の近くとされ、「漁場に被害があれば市民の生活に大きく影響する。沖縄防衛局は地元への報告をしっかりしてほしい」と求めた。


事故に関して米国と日本は基本的に考え方に相違がある。日本は、「何でもかんでも事故は起こしてはいけない」が基本だが、米国は、「事故は起こる。起こった時に被害を最小限にとどめるにはどうすべきか」が基本的な考え方だ。米軍のヘリが良く不時着するが、あれは、「異常があった場合は安全な場所に着陸して点検せよ。必要な場合は緊急対応班が現場に到着するまで待て」というマニュアルがあるからで、大騒ぎをする日本側に、「事故を防止するために予防着陸して何が悪いんだ」と言う顔をしている。今回の事故は操縦士のミスだろう。事故をなくすのは不可能で多かれ少なかれ事故は必ず起きる。人間も機械も完全ではない。陸軍参謀長が、「残念なことだが、事故は起こる」と言っていたが、あれが米国の考え方だ。安全最優先の民間航空でも事故は起きる。リスクを犯しても任務最優先の軍隊では当然なのだろう。原因の究明や情報提供は当然だろうが、再発防止と言っても、「俺たちは神様じゃない」と言うのが本音だろうか。どちらが合理的かと言えば、事故の対応に関しては米国の方が合理的に思う。


日本ブログ村へ(↓)