7月31日に北海道苫小牧沖で起きたカーフェリー「さんふらわあ だいせつ」火災。船の外壁が崩れ落ち、黒煙が上る中、子どもを含む乗客71人は、薄暗い海に浮かぶ別船に乗り移って避難した。坂上幹郎船長(58)は出火確認から約30分後、乗員乗客に退船を命令。日没前の判断が奏功し、大惨事を回避した。


  「車両甲板で火災が発生しました」

 
同日午後5時32分ごろ、フェリー乗組員から運航会社の商船三井フェリー(東京都港区)に連絡が入った。手動のスプリンクラーのほか、消火ホースや消火器を使って鎮火を試みたが、火の勢いは止まらなかった。

 

坂上船長が退船命令を出し、乗客避難の準備を始めた。周辺には巡視艇や民間船など5隻が集結。ライフジャケットを身に着け、まずは子どもから避難を始めた。札幌市のトラック運転手、小川卓也さん(24)は「救命艇に乗り移った時、フェリーの外壁がバリバリと取れて怖かった」と振り返った。

 

付近を航行中で、避難者39人を受け入れたフェリー「シルバークイーン」(青森・八戸-苫小牧、川崎近海汽船)では午後7時ごろ、「これから救助しに行きます」と船内へのアナウンスがあった。乗船していた青森県階上(はしかみ)町の明戸(あけど)忠男さん(60)は救命艇から1人ずつ乗り移る乗客を見ながら、「全員、無事に助かってほしい」と祈った。

 

行方不明者の捜索などのため、約4時間にわたって一人で船内にとどまった坂上船長は苫小牧西港に到着後、「お客様が無事に避難できてホッとした」と話した。1日に記者会見した商船三井フェリーの幹部も「日没が近かっただけに、(判断が遅れれば)2次災害の可能性もあった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 

行方不明になっている2等航海士の織田(おりた)邦彦さん(44)=東広島市=と東京で一緒に勤務していた経験のある同社苫小牧支店の永宮達矢支店長(47)は「非常に好青年で……」と言葉を詰まらせた。



日本人の現場力と責任感は悲壮なほど見事だ。何だかわけの分からないことも多いが、こうした人たちがいる限りこの国は大丈夫ではないかと思う。日本にああだこうだと因縁をつける半島の国とは大違いで、何だかんだと言う前に乗客を放り出して自分たちだけとっとと逃げ出して何百人もの乗客を死なせるような無責任さをまず反省すべきだろう。亡くなった航海士の冥福を祈る。


日本ブログ村へ(↓)