中国メディアの爪游控は18日、「アジア最強の航空強国は日本と中国のどちらか」を論じる記事を掲載し、日本は戦闘機の設計、生産において中国にはまったく敵わないと主張した。
記事は日本は世界有数の技術大国であり、航空機産業においても非常に高い技術水準を持っているように思えるとしながらも、「第2次世界対戦の敗戦国である日本は戦後、米国から航空関連の研究や航空機の生産を一時禁じられた」と紹介。
さらに、朝鮮戦争のぼっ発後に米国は日本に対する禁止を解除したと伝え、ようやく日本は米国から技術移転を受け、航空機産業を発展させることができるようになったと紹介した。その後、日本は航空機産業の実力を短期間で高めたとし、米ボーイングの大型旅客機には日本製の部品が大量に使用されていると紹介した。
一方で、日本は米国から航空機の研究なども禁じられたため、「航空機産業における基礎研究が不足したことは否めない」と指摘し、日本は長年にわたって航空機の設計を独自に行った経験がないと主張。さらに、日本が「F-16」をベースに米国と共同開発した「F-2」や、次期主力輸送機「C-2」において機体の強度不足が露呈したことも「基礎研究が不足しているためだ」と主張した。
続けて記事は、中国は1995年から2015年にかけて、「殲-10(J-10)」や「殲-10B/C」、「殲-11B」などさまざまな戦闘機を設計・生産してきたと主張し、軍用機の設計、生産においては中国に圧倒的な強みがあると主張。中国側の経験や技術力は日本と「申し訳ないほど」差があるとし、「戦闘機の分野において、日本には中国に対する強みは存在しない」と論じた。
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中国の大手ポータルサイト「新浪網」は22日、「中国の第4世代戦闘機のレーダー技術は『F-22』に相当、早期警戒技術はすでに米国を抜いた」と題する記事を発表した(「第4世代」は中国での数え方。国際的には一般に「第5世代」)。
記事は、1950年代に「ソ連製戦闘機の模倣」から始まった、中国の航空機用レーダーの技術史を回顧した。
1960年代から初の早期警戒機「KJ-1(空警1号)」の開発に取り組んだ。しかし技術が未成熟のため失敗し、最終的には「博物館送り」になったという。
その後、西側諸国は文化大革命を終えた中国を歓迎。1980年代は西側諸国と中国の「軍事協力の蜜月」で、軍事技術の供与も盛んになった。米国のエドワース空軍基地で中国の戦闘機に米国製の電子機器を取り付けて、試験飛行を行ったこともあった。
記事は「1989年6月に、米国は政治的な理由で一方的に協力を打ち切った」と紹介。具体的には書かなかったが、同年6月4日に発生した天安門事件に対する措置だった。中国はその後、関係を修復したソ連(ロシア)から技術を導入し、レーダー技術の開発を続けた。
中国はその後、アクティブ・フェーズドアレイ・レーダーを搭載した早期警戒機の「KJ-2000」と「KJ-200」をそれぞれ、2007年と09年に就役させた。記事は、米国のシンクタンク「ジェームスタウン財団」が、「KJ-2000とKJ-200は米国の早期警戒管制機である『E-3』Cと『E-2』の先の世代を行く」と評価したと伝えた。
ただし、米国のE-3シリーズは1977年の運用開始で、生産は1992年に終了。E-2は「進化型」の運用が現在も続いているが、運用開始は1964年だ。両シリーズとも電子機器では「大幅な改良」が続いたので、KJ-2000とKJ-200をどのタイプと比較したかは不明。
記事見出しの「米より優れた早期警戒機の技術」は、この部分を取り上げたと思われるが、「無理のある表現」と言わざるをえない。この鼻息だと中国は独自に世界最高性能のステルス戦闘機を開発できるはずなのだが、・・・。
記事はさらに、中国が開発中の「J-20」と、米国がすでに配備を始めたF-22のレーダーの比較についてまず、中国は早期警戒機の開発で「21世紀初頭に重大な技術的突破」を実現と論じ、レーダー技術分野で先進国との間で依然として差があるものの、「J-20などの運用が正式に始まるのは5-8年先」であり、2005年に運用が始まったF-22のレベルに到達するのは「問題がないはずだ」との見方を示した。
これほどの高度な戦闘機開発技術を有している中国様がどうして4.5世代戦闘機であるSu-35を屈辱的な条件までつけてロシアから購入しなければいけないのだろうか。何とも不可解なことではある。
中国の大手ポータルサイト「新浪網」は21日と23日、交渉が難航していたロシア製戦闘機「Su-35」の中国への売却の交渉が7月下旬までにまとまった状況を解説する記事を発表した。中国側がリバースエンジニアリングを試みた場合には「巨額の違約金」が科せられることが契約に盛り込まれたという。
ロシア側が「違約金」にこだわったのは、中国に「前科」があるためだ。中国は1999年、ロシアと戦闘機「Su-27」の輸入契約を結んだ。その後、ライセンス生産も認められ、「J-11(J-11A)」として製造した。ところが中国はその後、ロシア側の同意を得ずに「J-11B」、「J-11D」、「J-15」などの派生機種を次々に“自主開発”した。
今回の契約でロシア側は契約書に、契約の中途放棄やリバースエンジニアリングで新機種開発を試みた場合に、「巨額の違約金」を支払う条項を入れることを強く主張し、中国側も最終的に受け入れたという。金額は明らかにされていない。
購入機数については、中国側は24機を主張し、ロシア側は48機を主張した。結局、中国側の主張が通り、24機で決着した。
Su-27の契約交渉時に比べ、中国側は「極めて強気」の姿勢で臨んだという。新浪網は、「J-20」を開発中であることが背景と分析。中国にとってSu-35はJ-20登場までの「つなぎ」に過ぎず、「どうしても必要な機体」ではないという。
ただし、J-20の開発には「大きなネック」がある。エンジンだ。中国はJ-20への搭載を念頭に「WS-15(渦扇-15)」を開発中だが、難航しているとみられる。Su-35に搭載されるロシア製エンジン「Al-41F1S(117S)」はJ-20にも適しているとされるが、ロシアはエンジン単体での輸出を拒絶している。
同エンジンを製造するロシア統一エンジン製造会社のマサロフ社長は、中国に無許可コピーの技術力はないとの考えを示した。
新浪網は、「Al-41F1S」をコピーする価値のないエンジンと主張。コピーするにも長い時間が必要であり、自国の「WS-15」は米国のF-35に搭載される最新式エンジンの「プラット・アンド・ホイットニー F135」に迫る性能を持つので、「中国は遅れたエンジンをコピーする必要はない」と論じた。
日本と中国とどっちが上かは別にして日本の技術については概ねそんなものだろうけど、(ただし、F-2やC-1の強度不足は技術が未熟なのではなく実際に飛ばしてみないと分からないものもあるようで、ヨーロッパでも米国でも同様の不具合は発生している)F135に匹敵するエンジンが開発できるならうだうだ言っていないでとっとと自国で開発すれば良いだろうに、・・。でも中国が開発する機体って、「これ、どこかで見たような気がするな」とか「あれ、これってあの機体じゃねえの」って言うのばかりなんだけど、・・・。もっともそれは戦闘機に限ったことではないか、・・・。
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