ゴールデンウィークの帰省や行楽で車を利用する人にとって、数時間にもわたる渋滞は頭痛の種だ。特に困るのが、トイレに行きたくなったとき・・・。ツイッターにも「1時間以上我慢してるけど、もう限界」など、トイレ難民の悲痛な叫びが数多く投稿されている。
そして、ようやくたどり着いた、サービスエリアのトイレ。しかし女性客には、さらなる難関が立ちはだかる。帰省時に東名高速道路を利用するJ子さん(30代)がいう。
「女性トイレは、異様に長くかかる人も多いので、長蛇の列がよくでき、殺気立っているんです。一方で、隣に男性トイレは回転が早く、雰囲気も穏やかに見えます。立ちションできる彼らが本当にうらやましい・・・。絶対に見ないと約束するから、使わせてもらえないか、といつも思っています」
行列に並べる余裕がないほど切羽詰まっている場合、もしも異性側のトイレが空いていたら、使っても問題ないのだろうか? 尾崎博彦弁護士に聞いた。
●異性のトイレに入ることは「建造物侵入罪」
「異性用のトイレに入ることは、形式的には、『建造物侵入罪』となる可能性があります」
「異性用のトイレに入ることは、形式的には、『建造物侵入罪』となる可能性があります」
尾崎弁護士はこのように切り出した。
「『建造物侵入罪』が成立するのは、およそ、正当な理由なく、人の管理する建造物に侵入した場合です。
ここで言う『侵入』とは、管理する人の承諾なく建物に立ち入ることです。通常、サービスエリアなどを管理している人は、異性のトイレに入ることを承諾していません。したがって、『侵入』にあたると考えられるのです」
どうしてもトイレを我慢できなかった、という事情があってもだめなのか?
「『どうしても我慢できなかった』という場合にまで、管理者が絶対に承諾していないかというと、必ずしもそうではないかもしれません。その場合、建造物侵入罪は成立しないとも考えられます。
また、こういった場合、刑法における『緊急避難』が成立するという考え方もありますが、緊急避難が認められるのは、『自己または他人の生命、身体、自由または財産に対する現在の危難を避けるため』に限られています。
今回のケースが、管理者の不許可の範囲外だったか、あるいは緊急避難に該当するかどうかは、検討の余地があるでしょう。その際には、切迫の程度や代替手段の有無、立ち入った時間(用を足したらすぐに退去したか)などが考慮のポイントになると思われます」
女性用トイレはどこも行列で時間がかかるようだ。何をしているのか知らないが、女性は時間がかかるようだ。我慢するのは辛いし体にもよくない。男ならちょっとその辺でと言うのもあるだろうと思うが、女の場合はそれもなかなか難しい。花見で行列を離れた女性を追いかけて盗撮したなどと言う事件も起きているので困るでは済まないだろう。女性が男性用のトイレに入った場合、緊急避難は成立しない。その他の違法性阻却事由も当てはまらない。そうするとそうした場合、刑法に言う「建造物侵入」に問われるのか。厳密に法を解釈すればそういうことになるかもしれないが、女性が男性用トイレに入って用を足した場合に保護法益の侵害はどの程度だろうか。仮に女性が入ってきたとしても、「お、何だ」程度で済んでしまうだろう。おしっこしているのを見られて、『耐え難い屈辱で精神的に大きく傷つけられた』などと言う男はそうそういないだろう。そうすると違法ではあるが、可罰性がないということになるのではないか。女性の性衝動は男のそれとは大きく異なるのでおしっこしている男を見て激しい性衝動を感じたなどと言うこともないだろう。そうすると、もう限界で耐えられないという状況では男性用トイレに入って個室を使用するというのもありではないだろうか。そう言えば、どこかのSAで、「ちょっと使わせてください」と叫びながら男性用トイレに走り込んできた中年の女性を見たことがあるが、周囲の男は、「お、限界か、・・」と言う風情で一瞥していただけで特に騒ぎにもならなかった。だから、緊急やむを得ない場合はいいんじゃないのだろうか。逆は様々な問題がありそうだが、・・・。
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