中国の政治・軍事情報サイトの環球視線は23日付で、「日本が秘める驚くべき実力。中日の真の軍事力の対比を知れば、中国人は腰を抜かす」と題する文章を掲載した。内容に粗雑な面もある単純な比較だが、中国では同様の文章の発表が珍しくない。



文章は、日中が開戦するとすれば、尖閣諸島を巡る問題が発端になると主張。核兵器の使用については「中国は国際的に核の先制不使用を宣言している」、「日本は核兵器製造の能力を持つが、短期的には実現できない」として、可能性は低いとした。

 

実際に発生の可能性があるのは、中国海軍と海上自衛隊の戦いと指摘。中国については、海軍の規模は大きいが、レベルは低いと論評。一方の日本は、「世界で最も優れた装備の海軍力」と主張した。例としては、米国から導入した「イージスシステム」や、自主開発による護衛艦、ヘリコプター空母、非大気依存推進の潜水艦を挙げた。

 

文章は、艦載用対潜ミサイルの「アスロック」の保有数で日本は米国についで世界第2位であるなど、日本の対潜能力が突出していると主張した。

 

保有する艦船についても、中国海軍は数は多いが5000トン以上の大型艦船は13隻、日本の自衛隊は28隻と、倍以上の差があると主張。日本は装備だけでなく、人員のレベル、戦術面でも中国の上を行くと論じた。

 

互いに本土を(通常弾頭による)ミサイル攻撃をする事態になった場合には、日本のミサイル迎撃システムは充実していると指摘。中国の迎撃力は日本よりも劣るとして「中国の損失の方が大きい」との主張した。

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◆解説◆
 
日本は「憲法第9条第2項にいう戦力にはあたらない」などとする、見方によっては相当に強引な法解釈にもとづき、自衛隊を保有している。その関係で、自衛隊は他国領土内への攻撃力は持てないことになっている。したがって、上記文章の「中国領内に対するミサイル攻撃」は、現状ではありえない。

 

また上記文章は、日中が「有事」になった際の米国の動きも考慮していない。戦争勃発で国際社会で中国が孤立した場合、「政権崩壊」につながりかねない経済の混乱が発生する可能性にも言及していない。

 

つまり上記文章は、「日本を座標の基準として自国がどれだけ追いついたか、あるいは追いつけたか」と単純に比較してみたかったことが執筆の意図だったと解釈できる。

 

同様の心情による「各種比較」は韓国でもしばしば発表されるが、中国の場合には「自国はすでに日本を圧倒した」という主張から「日本に追いついていない。大きな差がある」という見方まで、さまざまな結論が披露される特徴がある。


中国は、「日本を超えた」「日本何するものぞ」と言う意見が多く見られる。海自の護衛艦「いずも」についても、「中国の空母の方が遥かに強力だ」と言うが、実際には日本との格差にかなり憂慮しているというのが本音だろう。中国軍は確かに数では日本をはるかに上回っているが、実際の戦闘力と言うと日本には遠く及ばない。中国はロシアの空母を鉄くずとして買入れ、それを改修して空母と称しているが、その能力はとても空母と呼べるものではない。日本は護衛艦と称する軽空母4隻を次々に就役させ、あるいは建造している。必要となれば正規空母もあっという間に建造するだろう。そして難なく運用していくだろう。中国はステルス機らしきものを2機種作っているが、実際にどの程度の能力があるのか未知数だ。日本はステルス戦闘機も技術立証機を制作し、次は実用戦闘機を開発すると言うが、おそらく相応の能力を持った戦闘機を作るだろう。高速鉄道にしてもハイブリッド車にしても中国とは大きな差がある。以前にNHKで「プロジェクトX」と言う番組を放映していた。あの番組を見ていると、ある程度の脚色はあるのだろうが、それにしても「日本人と言う種族は恐るべき種族だ」と思う。これから人口減少、高齢化社会の進行する日本だが、日本人のDNAが受け継がれていく限りこの国は世界でも相応の立場を保ち続けるだろう。中国が胸を張りながらも日本に脅威を感じているのはそうした日本の技術にだろう。


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