防衛省は、自衛隊各幕僚監部(制服組)に対する内局(背広組)の優位を規定したとされることもあった防衛省設置法12条を改正し、「内幕対等」を明確化する方針を固めた。また部隊運用権限を統合幕僚監部に一元化し、運用に関する報告をシビリアン(文民)である防衛相に直接行いやすくする。



中谷元(げん)防衛相は24日の記者会見で「設置法12条の改正で、より一層シビリアンコントロール(文民統制)が強化されるという結論に至った」と強調した。



現行設置法は、内局の官房長や局長が防衛相を「補佐」するとした上で、防衛相は陸海空自衛隊と統幕に対し(1)指示(2)承認(3)一般的監督-を行うと規定している。この規定により、局長らが自衛隊に「指示」「監督」を行うと誤解されかねないとして、国会審議や自衛隊内から批判があった。



設置法改正で、内局が政策面で防衛相を補佐し、自衛隊は軍事面で補佐することを明確にする。



また、内局と統幕の役割に重複があった部隊運用の権限を統幕に一元化し、内局の運用企画局を廃止する。これまでは統幕長が防衛相に報告する際、運用企画局長との連絡・調整が必要だった。



文民統制は、背広組が制服組を統制する「文官統制」と混同されることもあるが、本来は国民から選挙で選ばれた政治家による統制を意味する。今回の法改正で速やかな防衛相への報告が可能となり、文民統制が強化されることになる。



官僚が軍人を制御する。これを文民統制と解釈して官僚が制服に対して優越する構図が長い間続いて来たが、作戦運用を制服が、政策を官僚が主導することになるようだ。これは当然のことで部隊の運用を官僚が統括する権限を有するのは極めておかしなことだ。ただ、政治家が自衛隊を統制するのは良いが、その統制する政治家がよほど確固たる信念と決断力を有していないととんでもないことになる。政治家はこの点を自覚すべきだろう。



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