前にも話したことがあると思うが、僕がバイクに乗り始めたのはもう30年以上も前、仕事に必要と言うことで当時の自動二輪(小型限定)免許を取った。当時は四つ輪の免許も持っていなかったので日常の足としてCM125Tというホンダのアメリカンタイプのバイクを買った。
そのバイクでよく箱根に出かけたが、旧道の勾配のきついところになると1速でないと上がって行かないと言う非力なバイクだった。一度、緩い下り坂でアクセルを全開にしてみたが100キロには達しなかった。確か98キロくらいだったと思う。
そのバイクには3年ほど乗ったが、今度は職場で車の免許を取れと言われてそれからはずっと四つ輪に乗り続け、まさかバイクに乗るなどとは思わなかった。車も結構乗りまわしたが、遠出したのは登山に行くときくらいで旅行などは飛行機や新幹線を利用して行った先でレンタカーを借りるのが多かった。
大体車だと時間が読めないし、渋滞など面倒なのが主な理由だった。いきおい車は日常の移動の足と言ったところで車好きを自認する割にはあまり四つ輪で遠出をした記憶がない。せいぜい後立山や穂高、そして北岳辺りだろうか。
今回縁があってバイクの、それも大型二輪免許を取得して一四式スーパーボルドールを購入した。この免許を取って1年間で400Xと合わせて概ね7000キロほどもバイクに乗った。ほとんどは近所のミニツーリングだったが、この間名古屋までバイクで行った。往復700キロほどのロングツーリングだった。
無暗に暑いのに加えて、けつが痛くて難渋したがそれでも楽しいツーリングだった。そして来週は近江から京都へのツーリングを計画している。
バイクと言う乗り物は不思議な乗り物だ。四つ輪ならシートに腰掛けて天候も気にせずにエアコンで室温も調整でき、音楽を聴こうが、テレビを見ようが自由自在で快適この上ない。
そこに行くとバイクは夏は火鉢を抱えて走っているようだし、冬は寒風吹きすさび骨まで凍りそうな寒さだ。けつや腕や腰も痛くなるし、雨が降ればずぶ濡れ、しかもスリップの危険もある。荷物も積めない。何よりも自立できない二輪車でむき出しだから危険も大きい。
それなのにどうしてバイクに乗りたくなるのだろうか。うーん、分からん。圧倒的な加速感だろうか。それもあるだろう。でもやはりバイクと一体になって自分がバイクの一部になってバイクを動かしていると言う一体感だろうか。雨で濡れようが、脱水症になろうが、骨まで凍ろうが、けつが痛くなろうが、そんなことはどうでもいいことだ。とにかく一四式スーパーボルドールと一緒に走る。それが何より楽しい。何と言ってもこいつは誰より頼もしい相棒だから。
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