訪米中の小野寺五典防衛相は10日、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイに乗り、ワシントン近郊の国防総省から約50キロ南の海兵隊基地を視察した。視察後、小野寺氏は記者団に「大変安定性があり、機能的にも高い航空機だと改めて実感した」と語り、8月末の来年度予算の概算要求に、オスプレイの購入費を初めて盛り込むことを明かした。

小野寺氏がオスプレイに乗るのは初めて。同省のヘリパッドで小野寺氏らを乗せたオスプレイは、ヘリコプターのような垂直飛行で上空まで上がり、回転翼の角度を変えて固定翼機のような巡航飛行で基地に向かった。関係者によると、搭乗したオスプレイはオバマ大統領の移動にもよく使われるもので、数週間前にも大統領を乗せたという。

小野寺氏は視察後、滑走路がなくても離着陸でき、速く遠くまで飛ぶことができる特性から、離島が多い日本で速やかな災害救援、急患搬送などに能力を発揮すると指摘。「離島を含めた領土防衛にも重要で、日本に向いている装備だ」と語った。また、開発段階で事故が相次いだため安全性への懸念もあるが、「非常に機能的な優れた航空機で、操縦士を見ていたが、非常に操縦もしやすいとの印象を受けた」と語り、安全性を強調した。

政府の「中期防衛力整備計画」では、陸上自衛隊の装備品として翼の角度を変えることができるティルト・ローター機を2018年度までに17機導入すると明記している。オスプレイを念頭にしているが、小野寺氏は機種について「なるべく早く結論を出していきたい」とし、15年度に購入する機体数も「価格もあり、交渉の中で最終的に決めたい」と述べるにとどめた。

一方、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のオスプレイが米軍厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)や米軍横田基地(東京都福生市など)を訪れる計画があることについては、それぞれ米軍キャンプ富士(静岡県御殿場市)への人員輸送▽陸上自衛隊丘珠駐屯地(札幌市)での航空イベントへの参加--の途中に補給で立ち寄るとの報告を米側から受けていると説明した。
 
 
新しい概念の航空機だったので完成までにずいぶんといろいろあったようだが今は安全性も確認されている。導入されれば大きな戦力となるだろう。17機導入と言うと1個中隊戦闘団を空輸する程度の能力だろうが、離島の防衛にはその程度で十分だろう。尖閣諸島奪還を見据えた導入だろうが、早期の導入が望まれる。問題は価格だろう。
 
 
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