政府は1日夕の臨時閣議で、従来の憲法解釈を変更して限定的に集団的自衛権の行使を容認することを決定した。これに先立ち、安倍晋三首相(自民党総裁)は公明党の山口那津男代表と与党党首会談を開き、限定容認を確認した。集団的自衛権の行使を否定してきた戦後日本の安全保障政策が大きく転換されることになった。

閣議決定は、他国に対する武力攻撃が発生した場合に自衛権発動を認める要件として、わが国や「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生し、国の存立や国民の権利が「根底から覆される明白な危険」がある場合、必要最小限度の武力を行使することは「自衛のための措置として憲法上許容される」とした。日本を取り巻く安全保障環境が変容し、他国に対する武力攻撃でもわが国の存立を脅かし得るとも指摘した。

そのほかにも、国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊が離れた場所の他国部隊や国連職員を助ける「駆け付け警護」を可能とするため武器使用基準を緩和する方向性を示した。

首相は党首会談で「自民党と公明党は長年の風雪に耐え、意見の異なる課題でも国家、国民のため大きな結果を残してきた。与党とともに法整備していきたい」と述べた。政府は、自衛隊法や武力攻撃事態法などの改正を秋の臨時国会以降に進める方針で、引き続き日本への攻撃に対する抑止力強化の必要性を訴え、国民に理解を求める。
 
 
米国の力が相対的に弱まり、中国のように武力で自国の主張を押し通そうと言う国が出て来るとこれまでの一国平和主義よりも利益を共有する国家同士が共同で対処する方が効率的かつ大きな力を発揮できるのでその方向に向かおうというのだろう。一国平和主義は無駄に紛争に巻き込まれないという利点がある分、大国に押し込まれるとそれを防ぐのは難しいし、一国で国家を防衛すると言うと巨額の軍事費が必要になる。集団で事態に当たれば抑止力は大きくなるが、その分、いろいろと負担が増えるだろうし、血を流すことがあるかもしれない。どちらをとるかは国民の選択だろう。ただ、集団的自衛権行使を決めたからと言ってすぐに戦争をやるようになると言うのは極めて早計、あるいは恣意的な考え方だろう。集団的自衛権と言うのは集団の力を背景に戦争を抑止するのが目的でどこの国も好き好んでドンパチやりたがるはずもない。ただ、万が一、最後の選択として武力行使と言う道が存在することは肝に銘じておかないといけないだろう。
 
 
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