中国軍機が11日、東シナ海の上空で、自衛隊機に異常接近した問題で、外務省の斎木事務次官は、中国の程永華駐日大使を外務省に呼び、厳重に抗議した。これに対し、程大使は、最初に自衛隊機が、中国機に接近してきたと反論した。
程永華中国駐日大使は「事実関係が全く違う。日本側のいわゆる抗議は、受け入れられない」、「事実関係は、まず日本側の飛行機が、中国のTu-154型機に近づいた」、「中国側として、日本側に対して、むしろ抗議すると」と述べた。
斎木次官は程大使に対し、東シナ海で、5月24日に続き、11日、中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接近したことに対して厳重に抗議し、再発防止を求めた。一方、程大使は、最初に自衛隊機が中国軍機に接近し、これが危険であったために、中国の戦闘機を派遣し、監視活動を行ったと反論した。
斎木事務次官は「わたしの方からは『そのような中国の主張は、全く事実関係に合致していない』と。『中国側がそのような独自の主張を展開しているという、これは全く受け入れられない』ということを、あらためて言いました」と述べた。日中双方は、不測の事態を回避するため、連絡体制の整備が必要だとの認識で一致したが、関係改善の見通しは立っていない。
一方、中国国防省は12日午後、ビデオ映像などを公開した。映像は、中国国防省が12日午後、ウェブサイト上に公開したもので、日本時間の11日午前11時すぎに、東シナ海上空で、中国軍機が自衛隊機の追跡に遭い、一番近づいた際の距離は、30メートル程度だったと主張している。そのうえで、国防省のスポークスマンは、「中国側はさらなる措置をとる権利を留保する」と、日本をけん制している。
小野寺防衛相は12日夕方、中国国防省が映像を公開し、自衛隊機が中国軍機に接近したと主張していることについて、「国際法に従った安定的な対応だ」と反論した。
小野寺防衛相は「わたしも映像を見ましたが、国際法に従った安定的なスクランブル対応を、あそこに映っている自衛隊のF-15(戦闘機)はしているなと」、「もし中国側が、これに対して接近したとか危険だということであれば、それは全く当たらない」と述べた。
また、中国側が、およそ30メートルにまで自衛隊機が接近したと主張していることについて、小野寺防衛相は、「そのような事実はない」と否定した。さらに、小野寺防衛相は、中国国防省が映像を公開したことについて、「何らか後ろめたいことがあるので、わざわざ公開したのかなと思う」と述べた。
自衛隊は非常によく訓練された統制のとれた軍隊で緊張した場面で緊張を煽るようなことはしないだろう。ただ、相手をしっかりと確認するために接近することはあるのだろう。証拠と言う点では先に映像を出されたのは日本側が後手に回った感があるが、前回のレーダー照射の際と一緒で日本側にもそれなりの記録があるだろう。そう言うものを出して国際社会にアピールした方が良いだろう。
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