防衛省が今後想定される南海トラフ巨大地震など大規模災害に備え、非常時に医療・生活支援の拠点として活用できる多目的救難艦を新造することが19日、分かった。通常時には潜水艦が浮上できなくなった際に救援にあたる潜水艦救難艦として運用するが、手術用寝台や病床を備え、災害時には「病院船」としての活用を見込んでいる。

すでに平成26年度予算案の概算要求に建造費約508億円を盛り込んでいる。現役の潜水艦救難母艦「ちよだ」の後継と位置づけ、29年度末の完成を目指す。

新たな救難艦は排水量約5600トン。手術用の寝台2床と病床約10床を設置し、災害時の医療・入浴など被災者支援に活用する。水難事故でも練度の高い潜水士による行方不明者捜索や、無人探査機での沈没船舶の探査に役立てる。

東日本大震災では陸路が寸断され、海上からの救援活動の有効性が改めて注目された。内閣府も来年度の概算要求に5千万円を計上し、病院船に関する実証実験を行う予定で、自衛隊のコンテナ型治療室を民間フェリーに積み込み、どの程度の医療活動が実施できるかを検証する。

防衛省は大規模災害対応を防衛力整備の優先事項に掲げる。伊豆大島の豪雨災害では18日、海自輸送艦とホーバークラフト型揚陸艇が重機などの搬送・陸揚げに当たった。揚陸艇や今年度から調達が始まる水陸両用車は離島防衛・奪還作戦の要とすると同時に、災害救援にも役立てる。
 
 
病院船と言うのは有事だけの運用になるのでハードはもちろんスタッフの確保などいろいろと厄介な問題が多い。世界展開の米軍などはこうした船が必要だろうが、日本の自衛隊は日本周辺、一部の部隊はPKOなどで遠隔地に展開しているが、で活動するので敢えて専用の病院船などを作るよりもこうした支援船を活用する方が効率的と思われる。すでに野戦病院セットを揚陸艦などに搭載して運用してはいるようだが、・・・。
 
 
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