国産大型ロケット「H2B」4号機は4日午前4時48分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。約15分後、無人補給機HTV(愛称こうのとり)4号機を予定通りの地球周回軌道に投入し、打ち上げは成功した。こうのとりは9日、高度約400キロで国際宇宙ステーション(ISS)に到着し10日ドッキングする。H2BはH2Aと並ぶ日本の主力ロケットで、打ち上げ成功はH2Aを含め20回連続となった。

こうのとりには「日本が世界で初めて、しゃべるロボットを打ち上げた」と英BBC放送が報じたヒト型ロボット「キロボ」(身長34センチ、重さ1キロ)を搭載。ハイビジョンの4倍の画素数を持つ超高感度カメラ「4Kカメラ」も積まれている。また、凍結乾燥したマウスの精子をISSに運んで長期保管し、宇宙放射線の影響を調べる世界初の実験が計画されている。こうのとりの製造費は約140億円。


◇解説…存在感高まる輸送力
こうのとりには、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する飛行士を支える日本食、ヒト型ロボット「キロボ」のような個性あふれる荷物を積んでいる。日本の技術への注目度は高いが、それが活用されるためにも、打ち上げの信頼確保とコスト低減の両立が求められる。

昨年、こうのとりは、ISSで使う船内物資の4割、船外物資の全量の計約4.6トンを輸送した。今回も約5.4トンを運び、9月には不要になった米の実験装置を積んで大気圏に突入、燃やして廃棄する初の任務を担う。大型機器を運べる唯一の手段として存在感が一層高まりそうだ。

また、今回からH2Bロケットの打ち上げ事業は宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、共同開発した三菱重工業に移管された。2007年にはH2Aロケットの打ち上げが先に移管され、今年1月までに10機連続成功。両ロケットの成功率は世界最高水準の96%(26機中25機)となった。

H2Aは成功率で海外と肩を並べるが、打ち上げ費用は2、3割程度高いとされてきた。H2Bは、H2Aの2倍の8トンの静止軌道衛星を打ち上げる能力があり、大型化する通信・放送衛星に対応。製造から打ち上げまで民営化されたことはコスト低減につながる。同社の鯨井洋一・航空宇宙事業本部長は4日の記者会見で「打ち上げの多寡が(国際社会での)評価の対象になる。実績を高めたい」と語ったように、不断の努力は欠かせない。
 
 
性能と信頼性は文句のつけようがない。問題は打ち上げコストだろう。打ち上げが三菱重工に移管されたことからコスト低減は進むだろうが、もっともっとコストダウンが必要だろう。これはで積み重ねてきた技術は見事の花が咲いたが、今後は高性能・低コストという矛盾した命題に挑まないといけない。宇宙工学をここまで伸ばしてきた日本なら必ずできるだろう。
 
 
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