政府の宇宙政策委員会の部会は17日、国産大型ロケット「H2A」の後継機「H3」(仮称)を開発する方針を固めた。総額約1900億円を投じて来年度から開発に着手し、平成32年度に初号機の打ち上げを目指す。大型ロケットの開発は8年のH2A以来。民間主体の開発を検討し、コスト競争力の強化を狙う。
 
 
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したH2Aはこれまで22回打ち上げられ、95・4%の世界最高水準の成功率を達成。しかし、打ち上げ費用が約100億円と欧州より割高なうえ、搭載する衛星の大型化に対応できておらず、国際競争力に乏しいことが課題になっていた。
 
 
後継機はH2Aの製造元である三菱重工業を主体に開発する方向で検討中で、民間のノウハウを活用して競争力を高める。JAXAは技術支援や発射場の管理などを行う見込み。
 
 
会見した部会長の山川宏京都大教授は「世界のロケット開発は民間に移行しており、日本も抜本的に見直すべきだとの意見が委員の大勢を占めた」と述べた。今月中にも宇宙政策委員会で正式決定する。
 
 
後継機の打ち上げ費用はH2Aの半額を目指す。文部科学省は多額の開発費を考慮しても、H2Aの運用を継続する場合と比べて長期的にはコスト削減につながるとみている。
 
 
後継機はJAXAが研究してきたが、今年度からの新宇宙基本計画に開発が盛り込まれず、同部会が今後の方針を検討していた。
 
 
ペンシルロケットに始まってその後営々と積み重ねてきた日本のロケット技術は世界の最先端に肩を並べるまでに成長した。これも失敗にへこたれずに開発を継続してきたからだ。先端技術は国を富ませる。それは地道な継続から生まれる。次世代ロケットも世界の最先端を行く高性能ロケットであってほしいものだ。
 
 
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