中国軍が東シナ海で挑発行為を再開させたことが10日、分かった。日本政府が5日に海軍艦艇の射撃管制用レーダー照射を公表して以降、3日間沈静化していたが、9日になり空軍戦闘機などが日本領空に接近。沖縄県・尖閣諸島周辺では10日、照射公表後初めて海洋監視船も航行した。

日本政府は、照射が「軍の独断」で、中国共産党指導部は当初、事実関係の回答を留保する一方、軍に挑発自粛を指示したと分析。8日になり中国外務省に照射を「捏造(ねつぞう)」と公式に否定させたことを機に軍への指示も一転、挑発再開を命じたとの見方を強めている。

9日に領空接近したのは中国海軍のY8が1機と空軍戦闘機J10(殲10)2機。航空自衛隊は戦闘機の緊急発進(スクランブル)で対処したとみられる。Y8とJ10は昨年12月以降、連日のように接近飛行を繰り返していたが、今月6~8日は途絶えていた。

中国国防省も5日以降、公式には照射の事実関係について沈黙を貫いたが、8日、「中国軍の正常な訓練活動を歪曲(わいきょく)(した)」と主張。接近飛行を再開させたのは、「正常な訓練」として挑発を継続する意思を鮮明にしたといえ、日本政府高官は「照射に対する日米両国の批判に屈したとみられるのを嫌ったのでは」と指摘する。

一方、尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域では10日、海洋監視船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国公船が確認されたのは5日以来。

中国の旧正月にあたる春節期間中に公船を尖閣周辺に派遣するのは異例とされる。小野寺五典防衛相が9日午前、「(5日以降は)尖閣周辺の公船の動きが収まっている」と述べたことに反発し、即座に尖閣に接近させたとみられる。
 
 
災い転じて福となすではないが、射撃レーダー照射が現場の独断で、これを機会に双方が冷静になれればと思ったが、どっこい、そんな甘い国家ではなかったようだ。弱みを見せることを徹底的に嫌う国家のようだが、逆を考えればやはり今回のレーダー照射問題は効いているのだろう。中国にしても国際社会から国際法を順守しないならず者国家と見られるのは手ひどい打撃だろう。しかし、いずれにしてもこの状態では遅かれ早かれ不測の事態は起こるだろう。日本も心してその時どう対応するかを考えておかないといけないだろう。
 
 
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