そんな訳で応募者の中から面接候補者を選び出すことにした。例の帰国熟女と定年再就職おとうさんの他に大卒就職浪人やら留学御嬢さんやらシングルマザーやら何だか社会の縮図のような候補者の選出になってしまった。
面接に呼ぶ候補者を決めてそれらには面接日時を通知し、それ以外の人には厳正な書類審査の結果とお断りの通知を発送した。こんなことはやっている方は限りなく事務的に処理しているのだが考えてみれば他人の人生を左右しかねないことをしているかも知れないと思うとちょっと複雑な気分になった。
面接は社長と北の政所様に僕と女土方が担当することになった。サルがどうしてもやりたいと騒いだが、こんなのにやらせると面接それ自体が崩壊する恐れがあるので却下することにしたが人手がないので受付と案内をやらせることにした。
しかし、実際に通知を出した候補者が何人来てくれるか危ぶんでいたのだが、ふたを開けてみると一人を除いて通知した候補者がすべて集まったのにはちょっと驚いた。もちろんあの女もきちんと面接に参加していた。面接は特に問題もなく滞りなく終了した。
サルが一人で舞い上がっていたきらいはあるが、それも大きな支障にはならなかった。面接の内容をいちいち話とも面白くないだろう。面接なんて受ける側にすればファッションショウと一緒でいいところをこれでもかと見せるためのものでやる側にしてみれば何とか相手の本音を見抜こうとする。つまりはお互いの駆け引きのようなものだ。
結果から先に話せば例の知的美人か再就職のおじ様かということになった。英語の力から言えば知的美人が一歩リードというところだろう。特に米国での生活が長かったことから口語の能力はなかなか魅力的だった。再就職のおじ様は英語の能力もさることながら年を経た穏やかな落ち着いた性格が好ましかった。
ただ前職でそれなりの立場に就いていた人のようだし、僕たちのようなやっと青二才を抜け出したような若造にはちょっと使い難いと言う難点があった。それに女の世界に、女の世界というのは僕がいるのでちょっと語弊もあるのだが、まあ外見から言えば間違いなく女の世界と言ってもいいところに初老の男性が入ると言うのも問題なしとは言えなかった。
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