第54次南極観測隊の必要物資を運ぶため、昭和基地近くへの接岸を目指している観測船「しらせ」が厚さ6メートル近い氷に阻まれ、前進が困難な状況に陥っている。8日午前(日本時間同日午後)現在、基地の沖合約21キロで砕氷航行を続けているが、接岸の見通しは立っていない。
 
基地周辺では氷の表面が解けて雪上車の走行ができない状態が続いており、当面の物資輸送はしらせ搭載のヘリコプター1機が頼り。このまま接岸できなければ、観測計画などに大きく影響する。ヘリが故障でもすれば、隊員の長期滞在に必要な機材や食料、燃料の輸送も困難になる。
 
しらせは前回も基地の約21キロ沖で接岸を断念。2年続けて昭和基地に到達できなければ初代しらせ(1983~2008年運航)を含めて初となる。 
 
 
しらせの最大砕氷能力は3メートル、連続砕氷能力は1.5m程度だから6メートルの氷は砕氷不能だろう。世界でもトップクラスの砕氷船を阻むとはなかなか自然も手強いものだ。自然からみれば人間の作ったものなどままごとの範囲を出ないものかもしれないが。しらせは大型ヘリを2機、小型ヘリをⅠ機搭載しているはずなのにヘリが1機とはどうしたことだろう。予算不足で手当てができないのだろうか。何とかうまく補給が進んで観測に支障が出なければいいのだが、何曲も何とも厳しい地域ではある。
 
 
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