死亡が確認された北九州市内の男性らは医師を中心とした山仲間だった。グループのリーダーで門司区の小児科医、岡崎薫さん(75)と知り合いの男性会社社長は「山スキーにも出かけるベテラン。山のことはよく知っていたはずで、軽装で北アルプスに行くなんてありえない」と絶句した。近くに住む70代の女性は「お医者さんは忙しいから連休中でなければ山登りにもいけないのでしょう。とてもやりきれない」と語った。
グループ最年長の医師、政所(まんどころ)良治さん(78)と数十年前に一緒の病院で働いたという医師、橋本二郎さん(83)は一報を聞いて政所さんが勤務する病院へ駆け付けた。取材に「政所さんはスポーツが得意で20年前から山に登っていた」と言う。
門司区の整形外科医、井上義和さん(66)はアフリカ最高峰キリマンジャロへの登山経験もあったという。医師仲間は「海外の山にも出かけるベテランで、慎重な性格。軽装で登るなんて考えられない。突然の気象の変化でもあったのだろうか」と悔しそうに話す。
近くに住む左官業、久保和男さん(66)も「病院の待合室には山で撮った花などの写真がたくさん飾ってあった。GW前に診療を受けた時にも雪山の写真を見せてもらい、『先生、こんなところに行くの』と聞いたら、『今回は雪のあるところには行かないから大丈夫』と言っていたのに……」と唇をかんだ。
グループの一人とみられる角田重雄さん(63)は門司電気工事業協同組合理事長を務めていた。経営する会社の女性事務員(50)は「年1回は北アルプスなどに出掛け、『3000メートル級は全て踏破したい』と話していた。連休前に『気を付けてきてください』と声を掛けたのだが」と信じられない様子だった。【河津啓介、高橋克哉、尾垣和幸】
◇「今は話せない」親族ら身元確認へ
長野県大町市の県警大町署には5日正午ごろ、北九州市のグループとみられる6人の遺体がワゴン車で運び込まれた。午後3時過ぎから親族らが次々と駆けつけ、身元の確認に当たった。署には約30人の報道陣が詰めかけていたが、問いかけには応じず、険しい表情で署内に入った。遺族は署を通じて「今は話せる心境にありません」「静かに仏様と過ごさせてほしい」というコメントを出した。
同署は例年、大型連休期間中に主な登山口に署員を配置し、北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会のメンバーと共に、登山客に十分な装備で入山するよう呼び掛けている。
同署幹部は「軽装の登山客には注意をすることもあるが、反応はまちまちだ。事故を防ぐため、冬山に入るという意識をしっかりもってほしい」と訴えた。
グループ最年長の医師、政所(まんどころ)良治さん(78)と数十年前に一緒の病院で働いたという医師、橋本二郎さん(83)は一報を聞いて政所さんが勤務する病院へ駆け付けた。取材に「政所さんはスポーツが得意で20年前から山に登っていた」と言う。
門司区の整形外科医、井上義和さん(66)はアフリカ最高峰キリマンジャロへの登山経験もあったという。医師仲間は「海外の山にも出かけるベテランで、慎重な性格。軽装で登るなんて考えられない。突然の気象の変化でもあったのだろうか」と悔しそうに話す。
近くに住む左官業、久保和男さん(66)も「病院の待合室には山で撮った花などの写真がたくさん飾ってあった。GW前に診療を受けた時にも雪山の写真を見せてもらい、『先生、こんなところに行くの』と聞いたら、『今回は雪のあるところには行かないから大丈夫』と言っていたのに……」と唇をかんだ。
グループの一人とみられる角田重雄さん(63)は門司電気工事業協同組合理事長を務めていた。経営する会社の女性事務員(50)は「年1回は北アルプスなどに出掛け、『3000メートル級は全て踏破したい』と話していた。連休前に『気を付けてきてください』と声を掛けたのだが」と信じられない様子だった。【河津啓介、高橋克哉、尾垣和幸】
◇「今は話せない」親族ら身元確認へ
長野県大町市の県警大町署には5日正午ごろ、北九州市のグループとみられる6人の遺体がワゴン車で運び込まれた。午後3時過ぎから親族らが次々と駆けつけ、身元の確認に当たった。署には約30人の報道陣が詰めかけていたが、問いかけには応じず、険しい表情で署内に入った。遺族は署を通じて「今は話せる心境にありません」「静かに仏様と過ごさせてほしい」というコメントを出した。
同署は例年、大型連休期間中に主な登山口に署員を配置し、北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会のメンバーと共に、登山客に十分な装備で入山するよう呼び掛けている。
同署幹部は「軽装の登山客には注意をすることもあるが、反応はまちまちだ。事故を防ぐため、冬山に入るという意識をしっかりもってほしい」と訴えた。
事故が起きるたびに言われるが、同じことを繰り返すのはどうしたことだろう。立山で大量遭難した際も同じことが言われた。山は足元に雪があるうちは冬、雪が消えれば夏というが、真夏でも3000メートルの稜線では吹雪くこともある。最低でもビバークできる装備は不可欠だろう。
栂池、白馬大池から白馬はさほどきつい登りもなく足場の悪いところもない、普通であれば初心者向けのコースだが、それでも3000メートルに近い高山の稜線だから何が起こるか分からない。やはりこの時期、防寒装備は必須だろう。
年齢が高くなると重装備を持ち歩くのはきついだろうが、それなら白馬大池の小屋辺りで残雪の山を楽しむという手もある。ピークを極めることだけが登山ではないので体力に応じた登山を楽しむべきだろう。ちょっとばかり登山をかじった者として亡くなられた方の冥福を祈りたい。
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