東京都新宿区の防衛省では、午前6時すぎから陸海空自衛隊の幹部らが次々と登庁した。記者団の問い掛けにも言葉は少なく、一様に険しい表情。幹部らは地下3階にある中央指揮所に入り、北朝鮮のミサイル発射に備えた。正午を過ぎ、この日の発射の可能性が低くなると、幹部の1人は「仕切り直しだ」と気を引き締めるように語った。
迎撃の指揮を執る航空総隊司令部を抱える空自トップの片岡晴彦航空幕僚長は「粛々とやります」と厳しい顔つき。沖縄県に住民救護の部隊を展開した君塚栄治陸幕長は「万全です」と述べ、エレベーターに乗り込み中央指揮所に直行した。
米軍の早期警戒衛星が捉えた発射の第一報は、航空総隊司令部のほか中央指揮所の「総合オペレーションルーム」に届く仕組み。
ミサイルが発射された際の情報伝達について、2009年の前回発射時に「誤報」した教訓から、制服組トップの岩崎茂統幕長が確認した上で、首相官邸に連絡することにしている。
防衛省は12日、ロシア軍のTU142哨戒機2機が同日、日本海から南下し、沖縄本島西方沖を繰り返し周回したと発表した。北朝鮮の「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル発射のため配備された海上自衛隊や米軍のイージス艦の電波情報を収集し、ミサイル防衛(MD)システムの能力を把握する狙いがあるとみられる。いずれも領空侵犯はしていない。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。
傍迷惑な北朝鮮のミサイル発射でフル回転の防衛省と自衛隊だが、そこにまたロシア軍機が日米のMD情報収集に飛来する。これにも対応しなければならない自衛隊はまさに臨戦態勢のフル稼働だろう。何時発射するのか明日もこんな状態が続くのだろうが、万が一の備えだろうから膝に余裕を残して待機としたいところだろう。外交と安全保障というのはまさに生き馬の目を抜くような丁丁発止の駆け引きのようだ。
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