国連平和維持活動(PKO)で南スーダンに派遣された陸上自衛隊は、活動拠点の首都ジュバへ約700キロ離れた隣国ウガンダの都市エンテベから陸路で物資を搬送する“大作戦”を展開している。ジュバ空港の整備状態が悪く大型輸送機の離着陸に耐えられず、大型車両などは陸上輸送するしかないためだ。空路ならわずか1時間の距離を炎天下、1週間程度かけて、時に凸凹道を通りながら輸送している。
 
◆炎天下1週間かけ

赤茶けた土地を切り開いた片側1車線の一直線の道路が延々と続く。道路脇を歩いて通学する子供たちの横を、南スーダンの“建国特需”にあやかろうと、ジュバに出稼ぎに向かうトラックや乗用車が次々と通り過ぎていく。

日本からエンテベまで空輸された陸自の物資は、陸路と空路でジュバまで届けられる。中型輸送機に積載できない大型車両や、飲料水など生活消耗品を陸送している。

国土地理院の「都道府県庁間の距離」によると、東京-広島間が675キロ。日本のように道路の舗装状態がいいわけではない。南スーダンは日本の1・7倍の国土に舗装道路が約60キロしかない。

物資を載せた大型トレーラーは、現地警察官が同乗した警護車に挟まれ、エンテベ空港から約100キロ離れたルウェロという町に到着する。そこで陸自から委託を受けた日本の運送会社の現地駐在員が荷崩れしないよう入念に点検する。

◆1時間ごとに点検
ここから先は未舗装の区間が多く路面の凹凸が激しいため、荷物点検は1時間ごとに繰り返さなければならない。トレーラーに積まれた貨物は大きく揺さぶられ、時速10~20キロほどでしか進めない。南スーダンの国境に近くなるほど路面状態はひどくなる。

南スーダンに入ると道は舗装されている。陸自幹部は「南スーダンにとって、物資が運ばれるのはこの道だけだからだ」と説明する。ただ、現時点ではないものの盗賊との遭遇も懸念されている。雨期になれば路面の陥没とぬかるんだ泥にタイヤを取られ、走行できなくなることも予想される。

輸送計画立案にあたった陸自幹部らは「日本のPKO史上例のない長距離かつ悪条件の陸上輸送だ」と言う。そして、この輸送が順調に続けられるかが「南スーダンでのPKOの成否のカギを握っている」と言い切るのだった。
 
 
旧日本陸軍の最大の欠点だった兵站補給、そして国内専用の自衛隊には長距離兵站補給のノウハウがないだろう。ウガンダ国内はそれなりに安定しているのかもしれないが、南スーダン国内は問題があるだろう。96式装輪装甲車辺りを護衛につければ、それよりもチェンタウロ戦闘偵察車クラスの装輪装甲車でもあれば襲撃する方も長砲身105ミリ砲には相当に二の足を踏むだろう。イラクでは米国も輸送には大分苦労したようだ。正規軍同士の戦争ではないが、ゲリラや盗賊とは言っても軽装備の軍隊程度の武装はしているだろう。何事もなく任務を終了できると良いのだが。
 
 
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