スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)のシャッター音を消す機能が使われたとうさつ事件が相次いでいる。急速に普及するスマホは、次々に開発されるアプリケーションソフト(アプリ)を利用者がダウンロードして追加できることが魅力の一つだが、多様さが悪用された形だ。スマホ端末や基本ソフト(OS)を提供している米アップルや米グーグルは「とうさつ目的のアプリではない」と静観するが、捜査現場からは「犯罪を助長している」という指摘も出ている。利用者モラルが厳しく問われている。

 
「他人に気付かれないから」。昨年7月12日朝、JR三鷹駅(東京都三鷹市)の構内で女子高生(18)のスカート内をスマホでシャッター音を消してとうさつしたとして警視庁に都迷惑防止条例違反容疑で逮捕された会社員の男(29)は、こう供述したという。男は約2カ月前、シャッター音を消すアプリをダウンロード。警視庁が男のスマホを調べると、とうさつしたとみられる約100人分の画像が残っていた。

警察庁によると、迷惑防止条例違反容疑で摘発した全国のとうさつ事件は、06年の1068件から10年には1702件に増えた。スマホの利用者増加が背景にあるとみられ、警視庁が昨年摘発した257人のうちスマホ利用は56人。このうち少なくとも8人が消音アプリを持っていたという。

日本はとうさつ事件が海外に比べて多いとされ、携帯電話各社は自主的にシャッター音が出るようにしている。しかし、スマホでは個人が機能を変えられ、無音化アプリもインターネットを通じて100~200円程度で購入できる。「静かに撮影したい」という需要もあり、数年前から次々と販売されている。

シャッター音がないと、被害者は気付くことが難しい。被写体をディスプレーに表示させずに撮影できるアプリまで登場した。捜査幹部は「盗撮の摘発は難しくなる一方だ。犯罪に使われる可能性があるアプリは規制も必要ではないか」と話す。

しかし、アプリ自体を規制する法令はない。カメラアプリを開発した川崎市の40代男性は、「赤ちゃんやペットの寝顔を撮りたい時など音を消したい場面は多い」と理由を説明。提供開始した昨年3月以降、6万5000人以上がダウンロードしたといい、「とうさつは全く想定していない。何に使うかは利用者次第だ」と話す。

「iPhone(アイフォーン)」を手がけるアップルジャパンは「アプリは違法性があれば発売されない。シャッター音を消すアプリも全て犯罪に使われるわけではない」とし、OSの「アンドロイド」を提供するグーグル日本法人も「チェックして利用者に悪影響を与えるようなものは削除している」としている。
 
 
男と言う生き物もつくづく業が深いとため息が出るが、どんなものに性欲を感じるかと言うことは人それぞれ千差万別だからこれまた始末が悪い。中には病的なものも多いが、当の本人にはその人の人間性の一部なのだから本人にもどうにもならないところはあるのだろう。犯罪と言われてもそうした本能を道徳観や教養などで抑制するのはなかなか難しい。女性も、「ほーら、見てごらん」と言わんばかりの服装をしているお方も少なくはないが、それでも意に反して撮影されるのは人間の尊厳を踏みにじられる思いだろう。結局のところ、他人の尊厳を土足で踏みにじるような行為は止めるべきだという月並みな結論しか思いつかない。
 
 
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