防衛予算政府案が決定した。海上自衛隊は、DDH1隻と潜水艦1隻、DDHは24DDHでこれで海上自衛隊は空母型護衛艦4隻を獲得したことになる。しかし、それ以外は航空機、艦艇ともに新規はほとんどなく、既存の延命改修ばかりだ。イージス艦は改修されるが、「はたかぜ」型DDGも改修して使用するそうだが、そうするとイージス艦の新規取得は放棄するのだろうか。それとも次のシステムを防空の要に据えるのだろうか。
陸上自衛隊は10式戦車が13両、装甲車は要求のほぼ半数の62両、99式自走砲も要求の7割、ヘリはUH60が2機、CH47JAが1機、PKOにしろ、離島作戦にしろ、いくらあっても足りないヘリと装甲車はお寒い限りの装備数だが、大丈夫だろうか。ミサイル類はおおむね要求通りの決定のようだ。しかし、防空用の短SAMは3セットから1セットに削られている。多用途ガンはカールグスタフ3だそうだが、0式だかという小型の対戦車ミサイルはどうしたんだろう。装備中止になったようだが。それから火力支援車の開発が始まるようだ。これはFH70の後継というが、どんなものが出来るだろうか。後は与那国島に監視部隊を配備するための予算10億円が認められているが、こっれもまた配備をめぐってもめそうだ。
航空自衛隊は、4機のF-35取得に予算がついた。その他はF-15の防空能力改修が2機、自己防御能力向上が1機って何なんだ、この数は。日本上空の制空権の確保は放棄するとでも言うのか。F-2の攻撃能力向上は20機、空対空能力向上は12機、これはまあまあか。その他、C-2が2機、後は何もない。戦闘機の数が減少しているのだから個体能力の向上を急がないといけないのにこれではまるで試作でもしているような数字ではないか。太平洋戦争で制空権を取られて痛い目に遭ったことを忘れているのだろうか。それから那覇にE2Cを配備する準備をするようだ。
全般的に切り詰め・使えるものは改修して持たせる型の予算で目玉は24DDHとF-Xくらいだろうか。方向としては南西向きで先島諸島防衛に目が向いた予算だろう。しかし、防空の要である戦闘機の数の減少と質の相対的な低下が気になる。F-35が予定通り装備されても2017年、戦力化にはさらに時間が必要だ。このままで日本の防空は本当に大丈夫だろうか。仮に納入が遅れるような事態になったとしたら、中古の戦闘機のリースでも受けるのだろうか。
平成24年度防衛予算の概要
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