民主党の仙谷由人政調会長代行は30日、都内で講演し、大阪維新の会が掲げる「大阪都構想」について「自治の主体は基礎自治体の市町村にあり、本来は府が市に任せればいい話。大阪都にすれば何かうまくいくのか」と述べ、否定的な見解を示した。

大阪府知事と大阪市長のダブル選で維新の会が圧勝したことについては「国全体の制度や政策を国会で素早く決めないことへの市民のいらだちが爆発した」と指摘。「次にどういうガバナンス(統治機構)を作っていくのかという構想や提案はほとんどないに等しい」と批判した。
 
大ブームの「大阪都」構想だが、大阪の自治機構を合理化するという大目標だけで具体的なものは何も示されてはいない。従来の政治常識から行けば仙谷氏のこの考え方も一つの見識だろう。日米関係の先行きが見えず、中国の圧力が西から日本を圧迫し、欧州は経済不安でぐらついている。国内は財政難や経済不振、震災の復興の遅れ、原発問題から増税、年金問題などの生活不安、日本は閉塞感に喘いでいる。
 
この状況は太平洋戦争突入前の日本と似てはいないか。こんな時は大きな声や景気の良い話に気持ちが惹かれがちだが、こうした閉塞感で先が見えない時こそ冷静に将来の利害得失を検討して行く方を考えるべきだろう。TPPにも同じことが言えるのだが、「大阪都」構想、どんなメリット、どんなデメリットがあるのか。利害得失はどうなのか、よく検討し、議論を尽くして先に進めるべきだろう。
 
どのみち、1年2年でできることでもないだろう。現行のままで改革をしていくのか、都として全く新たな装いで出直すのか、それ以外の道があるのか、よく考えるべきだろう。閉塞感とは言ってもこれまでのような順調な右上がりではなくなったと言うだけのことでこの国が明日からその日を生きるのに苦労するようなことはない。自分たちのために、そしてこの国を継いで行く者たちのために、この国をどうしていけばいいのか、腰を据えて考えるべきだろう。大きな声や雰囲気に流されやすいこの国だが、短気は損気ということもある。
 
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