陸上自衛隊が10日から大分県の日出生台演習場などで行う島しょ防衛を想定した大規模演習に、北海道の戦車部隊が初めて参加する。政府は昨年末に策定した防衛大綱で、中国の軍事活動活発化を念頭に機動力を重視した「南西シフト」を打ち出しており、その実現を目指した演習だ。戦車は高速フェリーで送り込むが、民間の活用には課題もある。

◇苫小牧から大分へ
演習は5400人、車両1500台、航空機30機で行う。北海道からは冷戦期以来対ソ連・ロシアの要となってきた唯一の戦車主体の部隊、第7師団(千歳市)が参加する。

南西地域の島しょ防衛では、いかに迅速に部隊を集中させるかが課題だ。自衛隊の輸送力には限界があるが、輸送艦の大幅な増強は財政上難しい。東日本大震災でも海自の艦艇が救助などで使えず、北海道からの部隊投入や物資輸送に米軍や民間を利用した。

今回の訓練では、90式戦車4両と89式戦闘装甲車10両、隊員約230人を津軽海峡フェリー(函館市)の高速船「ナッチャンWorld」で運ぶ。7日午後に苫小牧港を出発し、9日朝に大分港に入る予定。

防衛省によると、自衛隊法に基づく防衛出動命令が出される前に民間船をチャーターする際は、競争入札で契約するのが原則。公示から契約まで最低で2~3週間かかる。緊急性から随意契約が認められても、契約に応じる船が見つからない事態も想定される。有事や非常時に民間船を活用する際の使用料や具体的な手続きは決まっておらず、防衛省幹部は「国土交通省などを巻き込んだ仕組み作りが急務だ」と話す。

米軍はオーストラリアからチャーターしたカタマラン型高速船を部隊の輸送に活用しているが、日本では今回の「ナッチャンWorld」と小笠原航路に使用するはずだったTSLが目玉のようだ。自衛隊が買い上げて運用するという計画もあるようだが、人手不足に悩む海上自衛隊には乗組員の確保がネックだろう。
 
そうかと言って有事に入札などと暢気なことはしていられないだろうから徴用などの法整備は必須だろう。しかし、今のこの日本で有事の民間船舶の徴用法案など天地を揺るがしかねない大騒動になるかもしれない。何しろ危険地域に行く軍隊が自存自衛のために武器を使用するだけでも喧々諤々なのだから。入札などしているうちにどこぞの国に南西諸島をすべて占領されるかも知れない。
 
日本ブログ村へ(↓)