時事通信社が8~11日、野田政権発足後初めて実施した9月の世論調査によると、内閣支持率は50.1%で、8月の菅前内閣の13.3%から36.8ポイント上昇した。不支持率は53.9ポイント低下の17.3%だった。政党支持率でも民主党は改善。ただ勢いはなく、内閣が代わっても引き続き自民党を下回った。
内閣支持率は、過去の民主党内閣発足直後と比べると、菅内閣(41.2%、正式発足前)を上回ったが、鳩山内閣(60.6%)には届かなかった。調査期間中の10日に、鉢呂吉雄前経済産業相が福島第1原発事故をめぐる不適切な発言で辞任し、支持率に一定の影響が及んだとみられる。調査は全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施した。有効回収率は65.0%。

野田内閣を支持する理由(複数回答)は、多い順に「他に適当な人がいない」16.9%、「印象が良い」15.8%、「首相を信頼する」15.4%となり、首相個人への期待感がうかがえる。「首相の属する党を支持する」は3.4%、「政策が良い」は2.3%にとどまった。内閣を支持しない理由は「期待が持てない」が10.2%で最多だった。
政党支持率は自民党が前月比1.9ポイント減の13.6%、民主党が2.3ポイント増の12.4%。両党の差は前月の5.4ポイントから1.2ポイントに縮まったが、民主党は昨年11月に自民党に明け渡したトップの座を奪い返すことはできなかった。次期衆院選の比例代表投票先も、自民党(22.7%)が民主党(20.9%)を上回った。
 
発足当初から見ると支持率がやや下がったのは一連の不適切発言や経済産業相の引責辞任が響いたのか。今しばらくは50%程度の支持率が続くだろうが、それもこの内閣の仕事次第だろう。それにしてもこれだけ体たらくを見せつけられてもいまだに民主党に投票するという有権者が20%もいるというのは驚きだ。民主党には政権担当能力が十分ではないし、人材も不足しているのは明らかなのに。それだけ自民党政治に飽き飽きしている有権者が多いということだろうか。
 
要は政治家の資質が下がっているということだろう。票集めに終始して政策や国家国民のことを考えている政治家など数えるほどしかいないようだ。日本国民もよくこんな政治でじっと我慢していると思うが、まあ、他力本願で長には忠実な国民性のなせる技だろう。
 
しかし、この国の国民は政治に何を望んでいるのだろうか。「他に適当な人がいない」16.9%、「印象が良い」15.8%、「首相を信頼する」15.4%」、こういうことはどうも情緒的な感覚で政権担当能力とはあまり関係がないと思うが、いつもこうした点が評価されるようだ。一国の舵を取るべき人物には人柄よりも判断力や実行力、そして決断力が優先してもよさそうなものだが。
 
もっともバ菅のように政策はまるでダメ、人間性にも疑問符がいくつも付きそうなのは困りものだが。こんな未曾有の国難の時には団結だの協調だのと言うよりも卓越した識見と素早く的確な決断力、行動力で国を引っ張っていくような人材の方が良いように思うが、そんな政治家は今の日本にはいないだろう。
 
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