一川保夫防衛相が「安全保障は素人だが、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」と発言していたことが分かり、自民党から3日、批判が相次いだ。同党は次期臨時国会などで野田佳彦首相の任命責任を追及する考えだ。
 
一川氏は2日午前、防衛相に正式に就任する前に、一部の記者の質問に答える形で文民統制に関して発言。その後、「素人というのは国民目線でやりたいという意味だ。国民目線で国民の皆さんが安心できるような安全保障政策が大事だと思っている」と釈明した。
 
これに対し、自民党の石破茂政調会長は3日午前、読売テレビの番組で「(発言は)明らかに間違いだ。政治家が実力組織を統制するのがシビリアンコントロールだ」と指摘。さらに「安全保障環境が大変なときに、間違えて言うような方を防衛相にするのは、自衛官の息子である野田さんらしくない」と述べた。
 
同党の山本一太参院政審会長もTBSの番組で「一刻も早く辞めていただきたい。感情的に言うと最初から問責(決議案)を出したい。こんな気持ちの人に日本の防衛を任せられるのか、非常に不安だ」と厳しく批判した。 
 
国民目線の安全保障って一体どんな安全保障だろうか。外交や安全保障と言うのは高度に専門的な識見と合理的な判断で行うもので国民目線でやるものじゃないんじゃないのかねえ。ある意味、前回の戦争も国民目線と言えばそうなってしまうのではないだろうか。政治家は決断を放棄し、国民は変革を求める。そこに一部の官僚や軍人が付け込んで景気の良さそうな大声を上げる。それにすべてが引きずられて、・・・。
 
地方自治に市民目線と言うのは当然あってしかるべきだと思うが、国家の安定的な存続と繁栄を担う国政に国民目線と言うのはどんなものだろう。外交と安全保障以外は地方へと言う物言いもあるようだが、国政の最後の砦で政治家として高度に専門的な能力の見せどころでもある安全保障を、「何も知らないけど、それが国民目線の安全保障」というのは相当に何かがズレまくっているのではないだろうか。
 
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