東京都心での大規模テロへの対処能力を強化するため、防衛省が都心に、陸上自衛隊の新たな即応部隊配置を検討していることが16日、分かった。「対テロ初動部隊」と位置づけ、首相官邸や中央省庁が集まる霞が関から3キロ圏内の防衛省(新宿)周辺で数百人規模の隊員を収容できる拠点を設ける。NBC(核・生物・化学)兵器テロに備える専門部隊の一部も併せて配置する。

防衛省は「防衛力の実効性向上の構造改革」を検討中で、8月5日にとりまとめた報告書では、離島侵攻の脅威が高まっている南西方面と並び首都圏の防衛態勢強化を掲げた。ロンドン同時爆破テロ(平成17年)やインド・ムンバイ同時テロ(同20年)など、世界各国で都市部の被害が相次ぎ、政治経済の中枢がテロの標的になることへ懸念が高まっているためだ。

陸自で都心の防衛・警備を担うのは第1師団(司令部・練馬)で、他の師団に比べ、傘下の中核部隊の普通科(歩兵)連隊の機動力やNBC対処能力が高い。

この第1師団の中で都心に最も近いのは練馬駐屯地の第1普通科連隊だが、それでも霞が関までは約15キロ離れている。13年の米中枢同時テロ以降、山手線内に最小限の部隊配置により、初動対応の時間を短縮することが課題とされてきた。

NBCテロの際にはさいたま市にある専門部隊「中央特殊武器防護隊(中特防)」が出動するが、こちらも霞が関までは30キロ以上。NBCテロでは偵察から汚染源や汚染物質の特定、除染までを短時間で処理することが鍵で、都心に近い部隊が必要だった。

都心では、土地確保や大規模施設の整備に制約があるため、同連隊や中特防の一部を3キロ圏内に前方配置する案が有力だ。重要防護施設を守るために必要な情報を平素から集めておく上でも、前線拠点があれば効率的だと判断している。

防衛省は昨年末に策定した「防衛計画の大綱」で、第1師団をテロ・ゲリラ攻撃対処に特化した「首都防衛集団」に改編することを計画したが、検討作業の遅れもあり、見送った。

自衛隊もかなり現実に即した編成になって来ているようだ。今の時点で正規軍が東京周辺に侵攻してくる可能性よりも都市ゲリラ活動の可能性の方が高いだろう。最近は非対象戦が大流行のようだ。
 
日本でそんな戦闘が発生することは可能性としては高くはないだろうが、かなり自由に外国人が入国して生活できる日本の環境では全くないとは言えない。備えておくに越したことはないだろう。
 
都心から3キロ圏内というと用地の確保も難しいだろうが、官地や遊休地などそれなりに場所もあるだろう。ただ、都心の中というと先制攻撃を受ける可能性もあるのではないだろうか。高い建築物などが林立している都心ではそれらに隠れて上からドカンとくるかもしれない。
 
専門家が用地を選定して駐屯地を作るのだろうからそれなりに対応策をとるだろうが。離島奪還作戦やら都心のゲリラ戦やら何とも忙しくなってきた陸上自衛隊だが、紙上編成の部隊ではなくそれなりに必要な装備を整えた有力な部隊を編成して欲しいものだ。
 
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