石原都知事は27日、定例記者会見で、天然ガスを使った火力発電所の利用について前向きな姿勢を示した。

冒頭、知事は猪瀬副知事が川崎の天然ガス発電所を視察したことを取り上げ、「非常に出力があってスペースもとらなくていい」「送電の距離も短い」として「東京の埋め立て地に作ってもいいし、千葉県の山の空いてる土地に頼んでもいい」と発言。「東京の経済の維持を考えて、これからは可能なプロジェクトのひとつじゃないかなと思っているが、もう少し研究しようと思っている」と続けた。

記者からは、自然エネルギーや再生可能エネルギーに力を注いていくべきではないかとの質問も出たが、これには「ダメ」と一蹴。「そんなものはコストかかって出力がなく、コストパフォーマンスがダメ。そりゃ簡単なんだ、風車やれとかね」「そんなものは電気の供給量は知れててね、コストパフォーマンスで考えるんだったら、やっぱり日本の産業全体ってものを考えないと。
 
そのなかで個人が太陽光発電するのは結構ですよ。(しかし)日本全体の産業社会を支えていく力にはなりきれない」「北欧行くと、あちこちで風車建ててやってますよ。しかし、日本の場合には風力が足りないのと落雷も多いし非常にパフォーマンスが良くないんだ」と主張した。

天然ガス火力の研究については「東京都単独での研究になるのか、民間企業も含めた研究になるのか」との質問もでたが、これについては企業が自分たちのメリットも含めて考えるべきだと答え、「これから積極的に進めるひとつの課題だと思っている」と答えた。
 
こういうことは基本的に国がやることじゃないのだろうか。東京都は国家と比べても世界でベスト10に入るくらいの経済力を持っているので火力発電所を一つ作るくらいは何とかなるのだろうけど、ほかの自治体では真似ができないだろう。
 
政府もバカの一つ覚え、実際にバカだから一つしか考えられないのかもしれないが、節電節電とバカのツケを国民に振らずに、各種の実証発電施設でも作って見たらどうだろうか。太陽光・風力・地熱・潮力、そして火力などどれが最も効率よく発電ができるのか、それぞれ100万キロワット程度の実証発電所を作って実際に運転してみたらどうだろうか。潮力発電は日本ではあまり聞いたことがないし、ほかの再生可能エネルギーでもちょっと100万キロワットは難しいだろうか。太陽光と風力は何とか可能だろうけど。
 
まあ今から準備をしても建設にはそれなりの時間がかかるだろうから来年の電力不足に間に合わせるのはちょっと難しいのかもしれないが、コロコロということを変えて世の中を混乱させるよりは、具体的に動き出す方がよほどましではないだろうか。
 
もっともこれは合理主義者の石原都知事の政府民主党に対する当てつけだろうが、原発が当面はダメとなると期間エネルギーとしては火力、それも比較的環境性能がいいという天然ガスによるガスタービン発電が有望ではないだろうか。長期というと実証によって得られた結果を基に考えればいい。
 
とにかくこんな時は口でうだうだ言ってみても始まらないし、だれも信用しない。莫大な復興予算を組むのならそこから電力確保のために金をねん出することもできるだろう。「○○年までに政府としてこういう方法でこれだけの電力を確保しますから、その間しばらくの間節電に協力をお願いします」というのならそれはそれで納得できるだろうが、どうなるか保証もないようなヴィジョンばかりを語られても、寝言ばかり言うなというのが実際のところだろう。
 
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