空母という軍艦は、派兵やいわゆる砲艦外交にはうってつけだが、保有するには実に手のかかる代物でもあるようだ。現在、世界の空母保有国は、アメリカ、ロシア、フランス、タイ、イギリス、イタリア、スペイン、インド、ブラジルの9カ国。保有数はアメリカの10隻以上を除き、各国1ないしは2隻。アジアではインドとタイが各1隻だ。では運用や稼働面はどうなっているのだろうか。
空母は、建造費、維持費、人件費などとにかく金食い虫のようだ。基本的に空母を含め軍艦は、最低でも3隻のローテーションなくしては、その能力を充分に発揮できず、実戦配備用、訓練用、そして点検・修理用の各1隻が必要となるといわれている。
また空母単独では敵の攻撃を防ぎきれないため、サポートする軍艦も欠かせない。当然、関わる人員も大所帯となり人件費もそれなりにかさむ。そのため、実質空母の持つ能力を活かしきれているのは、アメリカだけという見方もある。
空母の建造費は、東日本大震災の救援支援に参加したロナルド・レーガンなど、アメリカが保有する排水量9万トン超クラスで、船本体のみ一隻約45億ドル(約3700億円)から62億ドル(約5000億円)。もちろん、搭載する戦闘機や船に備える武器の費用は別途必要となる。
そんな財政難で汲々とする多くの空母保有国を尻目に、異彩を放つのが先頃はじめて政府高官が公式に空母建造を認めた中国だ。中国は、1998年に2000万ドル(当時のレートで約28億円)で、ウクライナからスクラップとして購入したはずの空母「ワリヤーグ(排水量6万7500トン)」を改装し、これを訓練用に使う。他に2隻以上を新規に建造中とみられており、世界で10番目となる空母保有国への道を邁進中だ。
さらにもう1ヵ国、アジア地域には複数の空母保有をめざす国として、インドがある。こちらはすでに保有する1隻に加え、1隻を新規建造、そしてもう1隻はロシアから購入するなど着々と3隻体制を整えつつある。
インドは2004年、ロシアの退役空母「ゴルシコフ(排水量4万5500トン)」を、改修費9億7400万ドル(当時のレートで約920億円)で購入を決めた。とこが改修費がかさみ、一時は総額29億ドル(約2750億円)まで膨れ上がる。おまけに2008年完了予定の改装工事も、遅々として進まない。その後、度重なる交渉を経て、2009年末にようやく合意。最終的には金額23億ドル(約1900億円)、引き渡しは2012年末となった。2011年春からは乗員訓練も始まり、今のところは予定通り進んでいるという。各国が空母を必要とする事情はさまざまだが、保有するには経済力が欠かせないようだ。
空母は、建造費、維持費、人件費などとにかく金食い虫のようだ。基本的に空母を含め軍艦は、最低でも3隻のローテーションなくしては、その能力を充分に発揮できず、実戦配備用、訓練用、そして点検・修理用の各1隻が必要となるといわれている。
また空母単独では敵の攻撃を防ぎきれないため、サポートする軍艦も欠かせない。当然、関わる人員も大所帯となり人件費もそれなりにかさむ。そのため、実質空母の持つ能力を活かしきれているのは、アメリカだけという見方もある。
空母の建造費は、東日本大震災の救援支援に参加したロナルド・レーガンなど、アメリカが保有する排水量9万トン超クラスで、船本体のみ一隻約45億ドル(約3700億円)から62億ドル(約5000億円)。もちろん、搭載する戦闘機や船に備える武器の費用は別途必要となる。
そんな財政難で汲々とする多くの空母保有国を尻目に、異彩を放つのが先頃はじめて政府高官が公式に空母建造を認めた中国だ。中国は、1998年に2000万ドル(当時のレートで約28億円)で、ウクライナからスクラップとして購入したはずの空母「ワリヤーグ(排水量6万7500トン)」を改装し、これを訓練用に使う。他に2隻以上を新規に建造中とみられており、世界で10番目となる空母保有国への道を邁進中だ。
さらにもう1ヵ国、アジア地域には複数の空母保有をめざす国として、インドがある。こちらはすでに保有する1隻に加え、1隻を新規建造、そしてもう1隻はロシアから購入するなど着々と3隻体制を整えつつある。
インドは2004年、ロシアの退役空母「ゴルシコフ(排水量4万5500トン)」を、改修費9億7400万ドル(当時のレートで約920億円)で購入を決めた。とこが改修費がかさみ、一時は総額29億ドル(約2750億円)まで膨れ上がる。おまけに2008年完了予定の改装工事も、遅々として進まない。その後、度重なる交渉を経て、2009年末にようやく合意。最終的には金額23億ドル(約1900億円)、引き渡しは2012年末となった。2011年春からは乗員訓練も始まり、今のところは予定通り進んでいるという。各国が空母を必要とする事情はさまざまだが、保有するには経済力が欠かせないようだ。
空母は金食い虫、確かにそうかもしれない。一昔前の戦艦と同様に威圧感があるし、大型の空母だと攻撃力も大きいが、単艦では行動ができず、多くの護衛艦を必要とするという脆弱性も持ち合わせている。空母自体の建造費、搭載する航空機から護衛艦の建造費、そしてそれらの艦艇・航空機の維持費、人件費などを考えると莫大な額になる。
それから1隻では常時稼働というわけにはいかない。修理や訓練が必要になるので、1隻を前線に展開するには他に2隻、都合3隻が必要となる。つまり3個空母機動部隊を取りそろえないと前線に空母1隻を展開できないことになる。
タイはもうすでに空母の運用を放棄してしまっているし、イギリスもシーハリアーを全廃して、新型の空母が就役するまでの間は、もう空母としての機能のない強襲揚陸艦くらいしか残っていない。ブラジルの空母はフランスが売却したフォッシュだというが、これも臨戦態勢に置くにはまだ整備改装が必要のようだ。
中国にしてもロシアが建造途中で放棄した空母を買い入れて改装しているようだが、これから運用するとなると艦載機の問題もあれば空母それ自体の運用の問題もあるし、いろいろと手がかかるだろう。仮に実戦配備できたとしても20年くらいはかかるのではないか。米仏露を除くと固定翼の通常の航空機を運用できる空母を保有している国はどこにもない。イタリア、スペインはSTOVL機のハリアーだ。
ところでもう一国、空母を保有している国がある。他でもない日本だ。日本は護衛艦という名前でごまかしているが、粛々と整備にまい進して、英国でフォークランド紛争の際に勇名をはせたインヴィンシブル級の全通甲板を持った護衛艦をすでに2隻保有している。そして排水量が3万トンに近い22DDHはすでに建造が始まっている。
これらは固定翼航空機の運用はしないとは言うが、その気になれば10機前後のSTOVL機を運用することが可能だ。特に日本の場合、遠距離進出は考えられないので航空機は航空自衛隊が運用して短期間その航空機を搭載して作戦する場合、あるいは中継基地として使用すれば重宝するかもしれない。
離島作戦の場合や長距離進出して脅威を取り除く場合などに有効に活用できそうだ。平成30年ころにはヘリコプター搭載護衛艦という名の軽空母4隻が揃うだろうが、これらが揃ったらなかなかの壮観だろう。もっとも今の政治の体たらくではそのころには国自体が崩壊しているかもしれないが。
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