沖縄本島と宮古島の間を通過し、東シナ海からフィリピン東方海域で訓練を実施していた中国海軍艦艇の搭載ヘリコプターが、周辺で情報収集をしていたロシア海軍艦艇に接近・周回する威嚇行動をとっていたことが23日、分かった。同海域には、中国艦艇の訓練を警戒監視する日米に加え、ロシア艦艇が偵察に乗りだしており、それを中国が挑発する「緊迫の海」になっていた状況が判明した。

中国艦艇は今月8、9両日、沖縄本島と宮古島の間を過去最大規模の11隻で通過後、フィリピン東方海域に入った。11隻はミサイル駆逐艦やフリゲート艦などで、海域に1週間ほどとどまり対潜水艦戦訓練などを実施した。22、23両日、同じルートで中国に戻った。

こうした動向は、海上自衛隊や米海軍の艦艇などが監視していた。そこへ、ロシア艦艇が遅れて展開。これを探知した中国側はロシア艦艇に艦載ヘリを向かわせ接近させたうえ、周回飛行させる挑発行為に出た。

ロシア艦艇は情報収集艦1隻とみられ、中国艦艇の11隻にはロシアが売却したソブレメンヌイ級駆逐艦3隻が含まれていた。このためロシア側には、同駆逐艦の運用形態を確認するとともに、中国が2003年から本格化させている駆逐艦とフリゲート艦を組み合わせた「混合編隊」による海上戦闘能力を把握する狙いがあったとされる。

中国は昨年4月、艦艇10隻が沖ノ鳥島周辺で訓練を行った際、ヘリを海自護衛艦に水平約90メートル、高度約30メートルに異常接近させたほか、今春にも海自護衛艦にヘリや航空機による接近・周回を3度繰り返している。

なめられているのは日本だけかと思ったが、ロシアにも同じことをやっているとは中国もなかなか気合が入っているようだ。主力艦をロシアから購入しているのになかなかどうしていい度胸だ。ソブレメンヌイ級はもう時代遅れの幹線だが、その火力はなかなかどうして侮れない。
 
それにしても中国は日の出の勢いが後押ししてか、誰にでもかみつくようだ。最近は中国の台頭で力の駆け引きが複雑に入り乱れるアジア圏だが、対中国包囲網にロシアも加わってもらうのもいいのかも知れない。一度は西太平洋制覇を目指そうとしたロシア海軍だから中国の進出には当然神経質になっているだろう。米ロ日豪韓印とこれならなかなか強力な網が築けるだろう。しかし、作るだけでも相当に難しそうだ。それに何とか作ったとしても機能するかどうか、国際関係は複雑怪奇だから。
 
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