「わが国の産業技術がいまだ健在であることの証しだ」。日本の次世代スパコン「京(けい)」が計算速度世界ランキング1位の座を奪回したことを受け、理化学研究所の野依良治理事長と富士通の間塚道義会長らが20日、東京都内で記者会見し、率直に喜びを表現した。
2009年11月の事業仕分けで予算削減の憂き目に遭い、「歴史の法廷に立つ覚悟があるのか」と怒りをあらわにした野依理事長。「1番を目指さないと駄目か」と問われ、「やはりトップを目指さないと駄目ですよね」と大きくうなずいた。
スパコンの部品製造には宮城県や福島県の工場も参加。3月の東日本大震災で被災し、操業がストップ。プロジェクトは危機に陥った。
間塚会長は「理事長にスケジュールが厳しいと申し上げたが、その後協力会社から連絡があり、『他のものをストップさせても、このプロジェクトには協力する』と言われた」と明かし、「最先端の技術を東北の協力会社が支えていた。それがなければ、世界一はなかった」と強調した。
せっかく獲得した世界1位の座だが、今後も激しい開発競争は続く。多額の国費を投入したスパコンには、成果も求められる。こうした問いに野依理事長は「巨大科学技術をどうつくっていくか、意志決定のプロセスをきちんとしないといけない。性能トップができればいいというだけでなく、その活用も国民の期待に応えなければならない」と述べ、表情を引き締めた。
快挙の陰に行き先の厳しい現実も見え隠れする。技術は常にその先を求められる。今日の1位が明日の結果を保証しない。しかし、逆境の中、世界のトップに返り咲いた技術と努力は称賛に値する。
思えば2009年、政権交代を果たして飛ぶ鳥を落とす勢いだった民主党のセンターフォールド大臣様がいみじくものたもうた。
「2番じゃあ、どうしていけないんですか」
先端技術開発競争に2位はない。1位と敗者があるだけだ。それが分からない民主党はものの見事に沈没しかけている。今日の勝利に驕り高ぶって努力を忘れた者は沈み込む。逆境の中で技術を向上させるのは並大抵のことではなかっただろう。日本の技術はいまだ健在を世界に示してくれた関係者の方に精一杯の賞賛を送りたい。この国はまだまだ大丈夫だろう。
ところで震災の復興と国家の立て直しは政抜きでやったらどうだろう。どうも政だけがこの国のハンディウエイトになっているように思えるが、どうなんだろう。政には他に影響のないところで好きなだけ政権ごっこでもやっていていただいたらどうだろう。
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