簡単に言えばこういうことだ。付き合っていた妻子持ちの男と別れざるを得なくなったが、男の方が納得しなかった。すったもんだの挙句に男は非常手段に出た。
付き合っている間に撮ったテキエディのお姉さんの裸の写真をネットでアップロードした。まあ、何と言うのか、かわいさ余って憎さ百倍ということだろうか。
男と女の間には他人には理解できないような複雑怪奇な事情があるんだろう。それは僕も分からないでもないが。
「一体どんな写真なの、その相手の男がアップロードしている写真て。」
テキエディのお姉さんは僕がそう言うとまた声を上げて泣き出した。
「どんな写真なのよ、その写真て言うのは。」
テキエディを相手にしていても始まらないので僕は女土方を振り返った。
「あなたも見たんでしょう、その写真というのを。」
女土方は黙ってうなずくとテキエディの方を見た。
「彼女にも見せるわよ、あのブログ。良いわね。」
テキエディはすすり泣くばかりで何も言わなかったが、女土方はテーブルの上に置いてあったパソコンを立ち上げるとネットに接続して何やら操作をしていたが、「ほら、これ。」と僕を振り返った。
ややこしいことに足を踏み入れたくはなかったが、どうせ事ここに至っては足抜きなどできるはずもなく、また、本来の男の興味も手伝って画面をのぞき込んだ。そこには大方予想通りというか、予想を超えたというか、その手の画像が並んでいた。
『あーあ、やっぱりこれか。』
アジの開きじゃあるまいし、どうしてこんなに開きまくって写真を撮らせるのだろうか。ジャンクメールに時々混じっている『毛穴まで見えるアダルトDVD』なんていう下品なキャッチを思い出してしまった。
大体、どうしてこんな写真を撮らせるのだろう。男と女なんていつまでも永遠に良好な関係が続くなんて言う保証もないし、関係が険悪になった時に自分の不利益になるようなこんな写真を撮らせるなんて危機管理の概念の欠片もないというか、能天気というか、あきれてしまう。
撮らせたものなんだからそれをどうしようと良いじゃないかと思うが、やはり女の立場で言えば信じてそうさせてあげたのにそれを裏切ってとんでもないということなんだろう。それにしてもモデル代でもくれるわけじゃないのにこんな写真を撮らせるなよ。
僕はそんなことを思いながらもサイトに張り付けてあるテキエディのお姉さんの写真をじっくりと観察してしまった。テキエディの裸はもう何度も見ているし、酔っ払って正体をなくした時にあちこち触りまくったこともあるが、さすがにこんなアジの開き状態を見たことはなかった。
だから本来男の僕としてこの開きに興味を持たないわけもなかった。つい、興味深くてページを繰ったり拡大したりしていると女土方が僕を急かした。
「どうなの、何かいい知恵はないかしら。このままじゃあこの子がかわいそうだわ。」
その声で我に返った僕はまだすすり泣いているテキエディの方を見た。そんなに泣くなら初めからこんな写真を撮らせなければいいのに。
「ほら、泣いてないできちんとしなさいよ。何でこんな写真を撮らせたのよ。ものには程度ってものがあるでしょう。」
僕はテキエディにちょっときつい調子で言ったら思った通り声を上げて泣き出した。しかし、僕にはどう考えてもこんな姿を写真に撮らせるなんてそんな気持ちが理解できない。
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