菅直人首相の6月下旬の訪米に向け政府が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の地ならしを急いでいる。4月末の松本剛明外相の訪米に続き、名護市辺野古に造る代替施設を「V字形」とする案への理解を求めるため、北沢俊美防衛相が7日に沖縄を訪問。首相訪米前の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)での決着に向けた環境整備を図る。しかし、県外移設を求める沖縄県の反対は確実。米議会も、普天間移設とパッケージとなる在沖縄米海兵隊のグアム移転費の削減要求を強めており、打開のめどは立っていない。

◇グアム移転暗雲
「普天間が進まないのは、すべての利益に反する。プロセスを加速できるなら、聞かせてほしい」。米上院軍事委員会のレビン委員長は先月28日、防衛省で会談した北沢防衛相に迫った。普天間移設のめどが立たない限り、グアム移転関連の予算はつけられない、との警告だった。

海兵隊8000人と家族9000人とされるグアム移転費用について、日米両政府は06年、総額102億7000万ドル(約8320億円)とすることで合意。日本側は融資を含め60億9000万ドルを負担する。しかし、ウィラード米太平洋軍司令官は4月12日の上院軍事委の公聴会で、「移転費が日米合意の金額に収まる可能性は高くない」と証言。理由として、地元のインフラ整備と普天間移設の遅れを挙げた。防衛省幹部は「米議会からの突き上げで、米政府も日本に強い態度で臨むようになった」と指摘する。

◇振興予算で説得
米側の姿勢が硬化する中、日本政府は、早期決着には、米側の求めるV字形を採用する必要があると判断。松本外相が29日の訪米で、米側に日本側の考えを伝えた。北沢防衛相も今回の沖縄訪問で、仲井真弘多県知事らに東日本大震災で大規模な復旧、復興予算を計上しても、沖縄振興予算を削ることはないことを説明し、移設に理解を求める。さらに政府は、今年度で期限が切れる沖縄振興特措法に代わる新法での優遇も視野に入れる。

◇努力見せるしか
鳩山政権での迷走を経て、普天間問題は、移設先だけでなく、滑走路の形状まで自公政権時代に回帰する結果になった。しかし、仲井真知事は「元に戻っても、そうですかと進むわけがない」としており、名護市への移設容認に回帰する兆しはまったくない。グアム移転費の水増し疑惑が4日、内部告発サイト「ウィキリークス」の公表した米公電で判明したことも県民感情の悪化につながる可能性がある。外務省幹部は「沖縄や米国に対し、努力している姿を見せるしか今はできない」と語る。
 
先の考えもなしにその場限りで良い格好を見せようと、「県外移転だ、国外移転だ」「滑走路のデザイン変更だ」などとバカなことを言うからどうしようもなくこじれることになる。自民党政権時代にあれこれ考え抜いてたどり着いた結論で、彼らも米国も民主党様ほどバカではないので他に道筋はなかったのだろう。
 
政権として前政権の政策を検討して引き継がないといけないもの、変えないといけないもの、独自の政策というのをしっかりと分けていかないといけないのに知恵もないのにみんな見直しなどとバカなことをやるからこんなことになる。
 
米国と決別して中国と手を結ぶなどという狂気の選択でも考えていたのかも知れないが、今の状況ではそれはまさしく狂気のなせる選択でしかない。しかし、米国と先祖返りの計画で合意したとしても沖縄は「はい、そうですか」とは行かないだろう。
 
結局、金で片を着けようとするのだろうが、どうも民主党というのは知恵がないせいなのか、金をばら撒くのが得意なようだ。それにしても、「8月のお盆までに希望者は仮設住宅に入居可能に」とか「年明けまでに原発避難地域への帰宅について判断」とか調整も検討も何もしないでその場の雰囲気で口走るのは野党時代と同じ意識なのだろう。何だかんだ言ってもお得意は権力闘抗争けで政権を担当するために何も学んでこなかったということか。
 
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