2010年、日本株は世界の主要株価と比べアンダーパフォーマンスとなったようだ。それというのもデフレや円高とともに政治のもたつきがかなり影響していると思われる。企業はかなり円高抵抗力を付けてきているので、2011年は、出遅れ修正を期待する声も多いが、やはり問題は国内政治が不安定で政策主導の景気回復が期待出来ず、為替に振り回される相場が続きそうだ。

日本株の低迷は日本経済がデフレ環境から抜け出せないことという見方が大方のようだ。日本株は9月以降、回復局面に入っているようだが、出遅れ修正には至っていない。しかし、ドル安に対する体制を身に着けた筋肉質の企業業績から見れば、日経平均の1万円水準は割安だという。1ドル83円87銭の10年度下期想定為替レートの下、大企業製造業の2010年度の経常増益率計画はプラス57.8%と高水準にあるので、円高に振れれば企業業績を圧迫する可能性はあるが、来期以降も増益基調が続くだろうから、海外投資家の日本株見直しにもつながるかもしれない。2010年の大納会では日経平均は一時100円超下落、前日の米ダウは連日で年初来高値を更新するなど対照的だったので、2011年は、日本株の本格的な出遅れ修正を期待したい。

2011年のドル円については、米景気が緩やかな回復していることから、米連邦準備理事会(FRB)の緩和スタンス後退が徐々に視野に入るため、年末にかけてドルは90─95円程度まで上昇するという見方がかなりあるようだ。ドル円の下値は、過去最安値(79.75円)を割り込むことはないとの見方が多いが、更新する可能性もあるという。いずれも鍵は米国の金融政策だろう。

2010年11月に踏み切った量的緩和第2弾(QE2)は、2011年6月まで続く予定。QE2後に米国の金融政策について緩和スタンス後退や非伝統的な金融政策の出口を意識し始めるのか、それともQE2の拡大、ないしQE3に向かって緩和スタンス再拡大を意識するかがポイントになるが、市場では、米景気の緩やかな回復を背景に、FRBはQE2を予定通り6月までで終了し、QE3は実施されないだろうとみる声が多い。

年中期にかけて、米国のインフレ率が適正水準まで上昇し、失業率が低下するなど、改善が見られれば、量的緩和の終了がテーマとなるだろう。このため、ドル円が下値をつけるのは年前半、量的緩和第3弾(QE3)も含め、米国で追加緩和が話題になった場合にドル円は史上最高値(79.75円)を更新する場面があるかもしれないという。しかし、米景気は回復基調で、米長期金利はすでに上昇を始めていて、2011年末の時点の米10年債利回りは4%まで上昇する可能性もあり、これがドルを押し上げるという。そのため、2011年末のドル円は90円程度を予想しているが、日米金利差の拡大から、92─93円に達してもおかしくないという。
 
こんな展開が現実になれば、日経平均も大幅に改善するだろうが、アジアやお欧州でもいろいろと不安要素があるし、相場は水ものだからどうなることやら。
 
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