仙谷由人官房長官は28日午前、各府省事務次官に年末訓示を首相官邸で行い、「(政務三役会議から)事務方を排除して意思疎通が図られないのはいけない。決定事項が円滑に連絡され速やかに実行されるよう、次官、官房長が出席、陪席するように」と述べ、政務三役会議に出席するよう指示した。仙谷氏はこの後の閣僚懇談会で、閣僚にも指示した。

民主党政権は「政治主導」を掲げて事務次官会議を廃止し、政務三役会議を各府省の最高意思決定機関としてきた。「官僚排除」は士気低下を招いたとの指摘があり、軌道修正を図ったとみられる。

訓示で仙谷氏は「政治主導とは決して事務方が萎縮したり、汗をかかず政治に丸投げすることではない。適切に役割分担し緊密な情報共有、意思疎通を図り、国家国民のために一丸で取り組むことだ」と強調。「官邸にも速やかに必要な情報が伝わるよう、事務方間の連絡体制を整える必要がある」と求めた。

仙谷氏は行政刷新担当相だった09年12月、「民間企業で社長や労務担当重役以外に、事務トップがいる組織は見たことがない。組織をちゃんと営むには、常識的な格好がある」と次官ポスト廃止の検討を表明したことがある。
 
結局、勉強不足の民主党の政治家では政治主導など逃げる時に順番に過ぎなかったようだ。格好のいい素人受けするような言葉ばかりで現実的な政策などは何一つできずに、高々と掲げた政治主導の看板を白旗に代えて官僚に泣きついたということだろう。
 
実際に実務を取り仕切って現場の実情を知っている官僚には政治家の付け焼刃の知識など敵うはずもない。政治主導とは政治家と官僚が切磋琢磨して政策を練り上げ、最後の決断を政治家が行うということで、政治職などというわけの分からない言葉をでっち上げて政治家が責任を取らずに真っ先に逃げ出すことではないだろう。それでは官僚の信頼を得ることは不可能だ。
 
職制階級というのは、責任を取るためという人がいるが、その辺は政治家よりも官僚の方が身に染みて知っているようだ。理想、というよりも妄想かも知れないが、机上の理屈と現実の対応とは全く異なる場合がほとんどだろう。それが分からない政治家にまともな政治は出来るはずもない。民主党も一度下野して位置から学び直すと良いだろう。
 
日本ブログ村へ(↓)